WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦しているアウディは、昨年から大きな変貌を遂げた2015年仕様のアウディR18 e-トロン・クワトロの画像を初公開した。目を引く外観の変化だけでなく、様々な改良が施されているという。

 トヨタ、そしてポルシェをライバルとして迎えた昨年のWECでは、開幕戦から厳しい戦いを強いられたものの、ル・マン24時間では総合優勝を獲得。年間タイトルはトヨタに譲る形となったものの、“新耐久王”としての底力を見せつけた。

 今年はさらにニッサンを迎え、4陣営での戦いに挑むアウディは先週、アメリカのセブリングで5日間のテストを実施。2015年仕様車両のテストバージョンを持ち込み、合計で6000km以上を走破している。アウディでLMP1プログラムを率いるクリス・ラインケはこの新仕様のマシンについて「ポテンシャルを引き出すために開発エリアを深く掘り下げた」のだと語る。

「モノコックとギヤボックスケーシングを除く全てのカーボンが新しくなっているんだ」

「マシンの構造的な根幹は同じだから、昨年確認したポテンシャルに基づいた進化のステップということなんだ」

 15年仕様のマシンはこれまで、ハイダウンフォース仕様で走行しているが、大胆に変貌を遂げたノーズのほか、リヤのクラッシャブルストラクチャーがボディワークに覆われていなくてはならないというレギュレーションの変化に伴って、リヤもロングテールのようになっている。

 テストではWECにレギュラー参戦する6名に加え、スパ/ル・マンに投入される3台目をドライブする3名も参加。アンドレ・ロッテラーは15年仕様のマシンについて「昨年のクルマからの良好なステップだ」とその印象を語る。

「どの分野でも誰も休んでいないんだ。マシンはここまでいい感じだよ」

 なお、アウディはマシンに関する詳細などはまだ明かしておらず、ハイブリッドシステムの容量を4段階のうちどこに設定するのかについては分かっていない。

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