6月16日〜17日に開催された第80回ル・マン24時間耐久レースで、優勝を飾った1号車アウディR18 e-トロン・クワトロのハイブリッドシステムが停止していたのではないかという噂が上がっていたが、アウディはこの噂を否定した。

 ポールポジションからスタートした1号車アウディR18 e-トロン・クワトロは、レースの大半をリード。途中スピンもあったものの、安定したペースでマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組を2連覇に導いていた。

 しかし、アウディはウイリアムズ製フライホイール式ハイブリッドシステムを搭載していた1号車のエネルギー回生装置にトラブルがあったと認めた。ただ、アウディスポーツ代表のヴォルフガング・ウルリッヒ博士は、二度のシステム再起動を経た後、“セーフティモード”という状況に入れることで危機を乗り切ったという。

「もし誰かが、最後の1時間を含め、コース上で最速だったウイニングカーがフルパワーで走っていなかったと言うのなら、それはそれで光栄だよ」とウルリッヒ。

「我々がレースでベストだと選択したモードは、機能がダウンしてしまっていた。そこで、我々はレース中にシステムを2回再起動させなければならなかった。ピットストップ中に再起動できるので、時間はかからなかったよ」

「その後、我々は問題なくレースを最後まで走りきるために、“セーフティモード”と呼ぶモードにコンピューターを切り替えたんだ」

 ウルリッヒによれば、セーフティモードと呼ばれる状態は、決してハイブリッドシステムをオフにする状況ではないと語る。

「セーフティモードは、我々がレースのためにベストだと判断したモードに入れられないとき以外使わないモードだ。どんな電子システムでも装備されている、安全のためのデフォルトモードのことだ」

 一方でウルリッヒは、このセーフティモードを使用した場合、通常のモードのどの程度の割合のパワーを発揮するのかについて明らかにはしなかった。ただ、このセーフティモードの使用が開始されたのは、1号車とバトルを展開していたアラン・マクニッシュ駆る2号車アウディR18 e-トロン・クワトロがクラッシュする前だったという。なお、2号車にはハイブリッドに関するトラブルは出なかったということだ。

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