14日〜15日に決勝レースが行われた今年のル・マン24時間で、レース前半をリードした7号車トヨタTS040ハイブリッドは、夜明けを迎えようかというタイミングでストップし、無念のリタイアを喫した。

 予選では、アウディ、ポルシェ勢を抑えてポールポジションを獲得した7号車。現地時間14日15時から始まったレースでも、激しい雨やセーフティカーランなど目まぐるしい展開となった序盤を乗り越え、夜間の走行でもトップの座をキープし続けた。

 ところが、夜も明け始めた15日午前5時を前に、中嶋一貴がステアリングを握っていた7号車はアルナージュの先のグリーン上で電気系のトラブルによりストップ。再始動することができず、約30分後にリタイアが決定した。

「僕たちはレースをリードしたけれど、トラフィックの回避などでも、過度のリスクは冒さないように心がけてきた」とアレックス・ブルツが語る通り、ドライバーたちもル・マンでの勝ちを意識した走行をしていたという。

「運に恵まれた部分もあるけど、レースをコントロール下に置きながらリードを広げることが出来たし、それこそがル・マンでは必要なことなんだ」とブルツ。レースの結果についてはこう振り返った。

「僕たちがル・マンに勝つのではなく、ル・マンが僕たちを勝たせてくれるのであり、今回は勝たせてくれなかったと言うことだね」

 また、一貴は「こういうのを痛恨の極みというのでしょうか。言葉が見つかりません」と悔しさ語る。

「僕たちを支えてくれた全ての人達に申し訳ない気持ちで一杯です。あの瞬間までは素晴らしいレースをしていたと思っています。良いペースでレースをリードしていました。こういうことがあり得るとは思っていましたが、今回実際に起こってしまいました」

「しかし、これがル・マンであり、だからこそ挑戦し甲斐もあるのだと思います」と一貴。「また挑戦します」と、来年以降の挑戦に目を向けた。

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