25日に予選レース、26日に決勝が行われたFIA GT1世界選手権開幕戦アブダビ。このレースでは、東北地方太平洋沖地震の被災者に向けて、4台のニッサンGT-Rが全車日の丸と『がんばれ! JAPAN』のキャッチフレーズとともに走り、予選レース、決勝とも上位を争った。
今季もFIA GT1世界選手権で唯一の日本車として戦うニッサンGT-Rは、昨年も参戦したスモーパワーGTチーム(ゼッケン20/21)、そしてJRMレーシング(ゼッケン22/23)の4台体制。11日に発生した東北地方太平洋沖地震を受け、2チームは『がんばれ! JAPAN』とマシンに記すことを発案。また、欧州日産からは『Support Japan』の文字と日の丸に加え日本赤十字社のURL(http://www.jrc.or.jp/)を記すことが発案され、全車に入れられることとなった。
この『Support Japan』の文字と日の丸、URLが記されたステッカーはFIAも賛同。ニッサンGT-R、フェアレディZなどが使用されたオフィシャルカーのボンネットにも貼られ、レースで活用されることに。ニッサン勢は日本への思いとともにレースを戦った。
迎えた予選レースでは、勝利こそマルクVDSの41号車に譲ったものの、2〜4位をGT-Rが占めることに。決勝レースではエンリケ・ベルノルディ/リカルド・ゾンタ組スモーパワー20号車がホールショット。ピーター・ダンブレック/リチャード・ウェストブロック組22号車が続き、ピットでの不運なアクシデントで20号車が脱落した後は22号車がレースをリード。惜しくも終盤の逆転劇でヘクシスのクリビオ・ピッチオーネ/ステフ・デュッセルドルフ組3号車アストンマーチンDB9に勝利を譲ったが、2台の日の丸はテレビに映り続けた。
今回のFIA GT1開幕戦では、昨年までニッサンGT-Rを使用していたスイスレーシングが、同じくスイスに本拠を置くザウバーF1チームと同じ「我々の祈り、日本に届きますように。」という日本語のステッカーをヘッドライト上に貼り、震災の被災者に向けメッセージを送っていた。