レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ル・マン/WECニュース

投稿日: 2009.11.02 00:00
更新日: 2018.02.15 16:14

【アジアン・ル・マン・シリーズ】レース2 ローラ・アストンマーチンが勝利


noimage

レース2
ローラ・アストンマーチンが勝利

ル・マン24時間の長いストレートを想定してデザインされたローラ・アストンマーチンだが、テクニカルコースの岡山国際サーキットでも悪くない走りを示した。ステファン・ミュッケとアラルド・プリマはレース2を圧倒したが、初開催のアジアン・ル・マン・シリーズを制したのは、土曜日のレース1で優勝したソラ・レーシングのクリストフ・タンソーと中野信治だった。

東海大学スタートせず 日曜日朝の天候は曇り、コンディションはドライ。だがスタート時刻の9時の時点では当然ながら、レース1が行われた土曜日午後よりも気温は低い(21℃)。スターティンググリッドはレース1の結果ではなく、金曜日に行われた公式予選結果に従って形成される。スタート間近になって、東海大学のクラージュ・オレカ・YGKのシリンダーヘッドにクラックが発見され、残念ながらチームはレース2への参加を断念した。

再びコッカーがトップに レース序盤は土曜日のレース1と同じ展開となった。ジョニー・コッカー(ローラ・クーペ・ジャッド)がポールポジションから飛び出し、2位以下のタンソー(ペスカロロ・ジャッド)、ミュッケ(ローラ・アストンマーチン)、ラピェール(オレカ・エイム)そしてアルバースとバッケルードが駆る2台のアウディR10 TDIを引き離して行く。8周目にミュッケがタンソーを抜き、首位を行くローラに迫ると14周目にはこれをかわしてトップに躍り出た。

フォード GT MK7の快走 土曜日のレース1でLM GT2クラス2位に入ったフェルバーマイヤー・プロトンのポルシェが、ヘンツラーのドライブ中にコース上でストップ。このカテゴリーではデビッド・マリーがドライブするフォードGT MK7が驚くべき快走ぶりを見せ、フェルバーマイヤーのもう1台のポルシェ(ホルツァー)を追いかけまわし、30周目にはついにこれを抜き去った。
LM GT1ではロラン・ベルヴィル(サリーンS7R)が先ずトップに立ったが、すぐに土屋武士の駆るアストンマーチンDBR9の先行を許してしてしまう。山西(ランボルギーニ)もベルヴィルに迫り、激しいバトルが展開された。しかし山西とベルヴィルのマシンは接触。ともにコース上にストップしたが、再走を果たした。

最初のルーティン・ストップ(39周目)までの順位は以下の通り。 
LM P1:1位ミュッケ(ローラ・アストンマーチン)、2位コッカー(ローラ・クーぺ・ジャッド)、3位タンソー(ペスカロロ・ジャッド)、4位ラピェール(オレカ・エイム01)
LM P2:1位ラエ(ペスカロロ・マツダ)、2位イバネズ(クラージュAER)
LM GT1:1位土屋(アストンマーチン)、2位井入(ランボルギーニ)、 LM GT2:1位マリー(フォードGT MK7)、2位ホルツァー(ポルシェ911)、3位ミュラー(BMW)。

オレカに不運 タンソーからペスカロロ・ジャッドのステアリングを引き継いだ中野信治と、ラピェールと交代してオレカ・エイムに乗り込んだロイック・デュバルのバトルが、給油ストップの直後から始まった。だが、デュバルは突然ペースダウン。ピットへと向かった。メカニックがドライバーズシート後ろにある電子ボックスの交換を急いだ。デュバルはコースへと戻ろうとしたが、再びストップ。エアリストリクターにバナナのような大きなゴム片が干渉しているのが見つかったためだ。結局、デュバルは6位まで後退してコースへと戻った。

BMW遅れる GTカテゴリーの2クラスでは順位の変動が見られた。ランボルギーニを駆る余郷敦がLM GT1クラスのトップに立つが、アストンマーチンDBR9の都筑晶裕がストレートエンドで前に出てトップに立った。
LM GT2クラスではフォードGTがメカニカルトラブルによりピットに張り付いている間に、レイホール・レターマン・レーシングのBMWが再びリードを奪った。だが、シモンセンとファーンバッハーがドライブするチーム・ハンコックのフェラーリが背後に迫っている。BMWは給油を終えてコースへと復帰する際にスターターが起動せず、4周をロスすることになった。これによりBMWの勝利は・・・
LM P2クラスではダミアン・トゥールモンドに不運が襲い掛かる。リアカウルを破損してピットインしたが、ピットレーンの速度違反(76km/h)でストップ&ゴー・ペナルティを課されてしまう。

ローラ・アストンマーチンが圧倒 トップは電子ボックスに若干のトラブルを抱えているもののローラ・アストンマーチンがキープしている。タンソーが乗るペスカロロ・ジャッドに約1分、そして3位まで順位を挽回してきたデュバルのオレカ・エイムには1周の差をつけている。一方、レース序盤をリードしたローラ・クーペ・ジャッドは、徐々に順位を落とし、オリバー・ジャービスと野田英樹がドライブする2台のアウディR10に挟まれて5位を走行している。終盤、目を引く走りを見せたのはやはりこのローラ・クーペ・ジャッドだった。ジョニー・コッカーがアウディ15号車に追いつき、これをかわしたのだ。その2周後、ステファン・ミュッケがステアリングを握るガルフカラーのローラ・アストンマーチンがトップでチェッカーフラッグを受けた。2位のペスカロロ・ジャッドに1分の差をつけての勝利だった。

他のカテゴリーの優勝者は、LM P2:ラエ/ニコレ/エイン(ペスカロロ・マツダ)、LM GT1:都筑晶裕(アストンマーチンDBR9)、LM GT2:ファーンバッハー/シモンセン(フェラーリF430GT)。