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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.06.15 00:00
更新日: 2018.02.15 20:38

【ポルシェジャパン】第78回ル・マン24時間レースレポート


第78回ル・マン24時間レースレポート

ポルシェがル・マンで98度目のクラス優勝を達成

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:ミヒャエル・マハト)のポルシェ911 GT3 RSRがまた新たなサクセスストーリーを打ち立てました。ドバイ24時間レースでの優勝、ル・マン・シリーズおよびアメリカン・ル・マン・シリーズでのチャンピオンシップのリードに加え、2009年シーズンにもっとも大きな成功を収めたGTマシンが第78回ル・マン24時間レースのGT2でクラス優勝を果たしたのです。ル・マン24時間レースでのこの勝利により、ポルシェはこの由緒ある耐久レースにおいて16度の総合優勝を含む98度目となるクラス優勝を飾りました。プロダクションカーである911 GT3をベースとした最高出力450 PS を誇るコンペティションマシンは、ライバル達を抑えて9回目の勝利を果たしただけでなく、3位、5位、7位および8位に入賞しました。さらに、優勝した911GT3 RSRは、環境クラス「ミシュラングリーンXチャレンジ」でもGT1、GT2クラスを通じてトップに輝き、もっとも効率に優れたGTカーであることを証明しました。

今年のポルシェの勝因も、911 GT3 RSRの信頼性の高さにありました。優勝したドイツのフェルベマイヤー・プロトン・チームのメカニック達は、燃料補給、タイヤ交換、ドライバー交代以外、スタートからフィニッシュまで特にすることはありませんでした。ワークスドライバーであるマルク・リーブ(ドイツ)、リヒャルト・リーツ(オーストリア)およびウォルフ・ヘンツラー(ドイツ)はコンスタントにラップタイムを刻み、2位のフェラーリに2周の差をつけていました。「今回の勝利の大きな要因は、トラブルがなかったこと、そして迅速なピットワークにあります。この勝利はチーム全員で勝ち取ったものです」と2005年、2006年に続き、ル・マン24時間のGT2クラスで3勝目を挙げたマルク・リーブが語りました。リヒャルト・リーツは2007年に続き、2つ目となるトロフィーを獲得しました。

今回のル・マン24時間でポルシェが勝利したことは、このレースが78回の歴史の中でももっとも熾烈なもののひとつであったことで、より大きな意味があります。特にGT2クラスには7社のマニュファクチュアラーが18台のレースカーを投入し優れたサポートを提供したため、激戦が繰り広げられました。この勝利により、ポルシェはフェラーリ、BMW、シボレーコルベット、ジャガーおよびスパイカーといった強豪をさらに後方へと退けました。

また、ポルシェのホスピタリティでは、ポルシェ ジュニア出身でポルシェのワークスドライバーでもあったマイク・ロッケンフェラー(ドイツ)と共にアウディR15 TDIのコックピットに乗り込んだポルシェのワークスドライバー、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)とロマン・デュマ(フランス)が勝利を祝っていました。彼らは、2位のアウディに1周の差をつけてチェッカーフラッグを受けました。

ポルシェのモータースポーツ部門のトップであるハルトムート・クリステンは「今週末、特にGT2クラスは信じられないほどエキサイティングなレースになりました。フェルベマイヤー・プロトン・チームがGT2クラス優勝とミシュラングリーンXチャレンジを獲得し、非常に嬉しく思っています。これは、私達が掲げるポルシェ インテリジェントパフォーマンスのフィロソフィの方向性が正しいことを示しています。また、他のポルシェチームが出した結果にも大いに興奮しています。彼らはすばらしい戦いを展開し、好成績を収めました。アウディで戦った3名のドライバーについても誇りに思っています。彼らとアウディチームに賛辞を送ります」。

ポルシェ ジュニアのマルコ・ホルツァー(ドイツ)と彼のBMSスクーデリアイタリア・チームのチームメイトであるリチャード・ウエストブルーク(イギリス)とティモ・シェイダー(ドイツ)も、クラス3位に沸きました。この3名のドライバーは、全員ル・マン24時間レースには初参加でした。2年連続のDTMチャンピオンであるシェイダーにとっては、初めてのポルシェ911 GT3 RSRでのレースとなっています。「私達の夢が叶いました」と21歳のホルツァーが話します。「ル・マンは、世界最高峰の長距離レースです。その場で私達は表彰台に登ったのですから、非常に感動しました」。

フランスのIMSAパフォーマンスチームのクルーは、5位という成績に複雑な心境を隠しきれません。ワークスドライバーのパトリック・ピレ(フランス)、パトリック・ロング(米国)およびチームメイトのライモン・ナラ(フランス)は明け方にクラッチのトラブルに見舞われるまで、優勝したポルシェ チームに食い下がっていました。「今日はポルシェにとってすばらしい日になりましたし、それについて私も嬉しく思っています」とピレが語っています。「しかし地元のレースで表彰台に届かず、多少がっかりしていることも事実です」。

7位および8位でフィニッシュした911 GT3 RSRをドライブした2チームのジェントルマンドライバーたちも伝統ある耐久レースでの結果に満足していました。7位フィニッシュのプロスピード・コンペティション・チームのドライバーはオランダ人のポール・ヴァン・スプルンテレンとニーク・ホマソン、ベルギー人のルイ・マシエルス、8位フィニッシュのフェルベマイヤー911の2号車のドライバーはホースト・フェルベマイヤーJr.とSr.(いずれもオーストリア)およびスロバキア人のミロスラフ・コノプカでした。

アメリカのフライングリザードモータースポーツのダレン・ロー、セズ・ニーマン(共に米国)およびワークスドライバーのイェルク・ベルクマイスター(ドイツ)がドライブする911GT3 RSRはアクシデントにより、リタイヤとなりました。今年、ル・マンに参戦した6台の911GT3RSRのうちフィニッシュラインに届かなかったのは、フライングリザードモータースポーツの1台のみでした。

第78回ル・マン24時間レース:GT2クラス結果

1. リーブ/リーツ/ヘンツラー組(ドイツ/オーストリア/ドイツ)ポルシェ911 GT3 RSR、338周
2. ファルンバッハ/シモンセン/キーン組(ドイツ/オーストラリア/米国)フェラーリF430 GT、336周
3. ホルツァー/ウエストブルーク/シェイダー組(ドイツ/イギリス/ドイツ)ポルシェ911 GT3 RSR、327周
4. アレジ/フィジケラ/ビランダー組(フランス/イタリア/フィンランド)フェラーリF430 GT、323周
5. ピレ/ロング/ナラ組(フランス/米国/フランス)ポルシェ911 GT3 RSR、321周
6. J.ミュラー/ファルファス/アルツェン組(ドイツ/ブラジル/ドイツ)BMW M3 GT2、320周
7. ヴァン・スプルンテレン/ホマソン/マシエルス組(オランダ/オランダ/ベルギー)ポルシェ911 GT3 RSR、317周
8. フェルベマイヤーSr./フェルベマイヤーJr./コノプカ組(オーストリア/オーストリア/スロバキア)ポルシェ911 GT3 RSR、304周