レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.05.26 00:00
更新日: 2018.02.15 20:15

【Swiss Racing】FIA GT1世界選手権第2戦 シルバーストン


FIA GT1世界選手権
第2戦 シルバーストン

4月30日~5月2日開催

 冷たい雨と風の中開催されたFIA GT1世界選手権の第2戦は、スイスレーシングにとっては決して順調な幕開けではなかった。予選中に怒った燃料不足でのコース上でのストップは、完全に起こってはいけない痛いミスであった。それは何が原因なのか、我々はすぐに解明することができた。モータースポーツの世界では、誰にでも起こりうるミスであるが、今回は我々のチームにそのミスが起こってしまった。

 経験豊富なGTエンジニアであるオットマー・ヴェルティ監督がいう“しくじり”が原因か、#4の荒/ニールソンが19位、そして#3のヴェンドリンガー/モザーが21位で、スイスレーシングの二台のGT-Rが悔しくも予選の第一セッションで終了してしまった。

 しかし、荒のGT-Rの経験値はチームの誰よりも高い。それゆえに予選レースでは全体の中でトップ6位の速さを叩き出したのだ。

 若き2人のドライバー、ニルソンとモザーは、過激なスタートの中を抜き出て、十分に他のマシンらと互角に戦えることを証明したのだった。♯4とニルソンと荒のドライバー交代をした6周後にヴェンドリンガーからモザーへステアリングが託された。トップ集団に食い込んだヴェンドリンガーは、コルベット・マセラティやランボルギーニと接戦を繰り返し、その先頭グループの後にヴェンドリンガーと荒が続いた。ランボルギーニがブレーキを踏んだ僅かな隙を突いてヴェンドリンガーがチャンスをいち早くキャッチし、その後に荒が同じくチャンスを生かす可能性を探った。しかし、ヴェンドリンガーはランボルギーニと接触をしてスピン、荒はその間にポジションを上げるが、少しの間を置くことなくベテランのヴェンドリンガーが再びランボルギーニを捕らえ、抜き去った。

「予選レースの14位と15位入賞は、我々にとって満足してよい結果であり、これはこれから始まる決勝レースの最終結果ではなく、更に上位にポジションを上げる為のステップだ」とチームマネージャのコルブは楽観的に考えている。

「最小限の目標には届いた」と決勝レース後に語るヴェルティ監督。荒とニールソン#3が激しいレースを戦い抜いた後も全くの無傷でゴールし、1ポイントを獲得したものの、ヴェンドリンガーとモザーがドライブする#4は、ミュラーがドライブするアストン・マーティンに追突されスピンをしてしまった。

 5月2日に開催された決勝レースでは、レース開始後早々にSCが入り、その後の再スタートでは荒が2ポジションダウンするもすぐに挽回。一方、ヴェンドリンガーは、モザーとのドライバー交代が非常にスムーズに行き、ポジションアップに成功。しかしその後、ニルソン操る#3を捉え、ハーゼがドライブするライターエンジニアリングのランボルギーニに接触、スポンジバリアに衝突してしまうという事故が起きてしまった。「ブレーキを踏みたかった。しかし、260km/hでランボルギーニに接触されて、そのままタイヤバリアへ突っ込み2~3回スピンしてしまった」とモザーは事故を振り返った。荒とペアを組むニルソンは10位でチェッカーを受け、チームとしてもドライバーとしても初めてのポイントを獲得し、彼の活躍には見張るものがあった。最終的には上位のアストン・マーティンのペナルティにより9位入賞とランキングアップした。「まだまだこのGT-Rからは多くのものを引き出せると思う。しかし、このシルバーストンでの第二戦では非常に満足する走りが出来た」とレースを振り返り、ニルソンは語った。そして、チームマネージャーであり、エンジニアでもあるコルブは、「ニルソンは、本当に素晴らしい活躍をしてくれた。これによってGT-Rからの新たな発見もあり、改良することが出来た。ブルノ戦は今までとは全く別なGT-Rのパフォーマンスに期待出来るだろう」と語っている。

 FIA GT1世界選手権の第3ラウンドのブルノ戦は、5月21日~23日に開催される。


関連のニュース