ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ(USCC)の開幕戦デイトナ24時間は、25日~26日に決勝レースが行われ、アクション・エクスプレス・レーシングのジョアオ・バルボサ/クリスチャン・フィッティバルディ/セバスチャン・ブルデー組5号車コルベットDPが総合優勝を飾った。
アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)とグランダム・シリーズの統合によって、新シリーズとして今年からスタートしたUSCC。シリーズの幕開けとなる第52回デイトナ24時間は、チェッカー直前のセーフティカー導入により、最後まで接戦が演じられることとなった。
現地時間25日の14時10分から始まった24時間の決勝レースでは、ポールポジションからスタートしたゲインスコ/ボブ・スターリングス・レーシングの99号車コルベットDPが先行。ただ、その後99号車コルベットDPはやや後退する形となり、5号車コルベットとチップ・ガナッシ・レーシングの02号車フォード・ライリーDPが首位を奪い合う展開となる。
そんな中、開始から3時間が経過しようかというタイミングで、99号車コルベットDPと、リシ・コンペティツォーネの62号車フェラーリ458イタリアが絡む激しいクラッシュが発生。レースは赤旗中断となり、約1時間後に再スタートが切られた。
そこからは、5号車コルベットDPや02号車フォード・ライリーDPに加え、序盤にピットトップペナルティを受けて後退していたチップ・ガナッシ・レーシングの01号車フォード・ライリーDPやスピリット・オブ・デイトナの90号車コルベットDP、そしてウェイン・テイラー・レーシングの10号車コルベットDPなどが首位争いを展開していく。
01号車フォード・ライリーDPはレース開始から11時間というところでトラブルが発生かガレージへと向かい後退するが、ナイトセッションでも、レース序盤から首位争いを続ける各マシンがバトルを演じた。その後、終盤に向けて10号車コルベットDPがリードを築く場面もあったが、アクション・エクスプレスの9号車コルベットDPと、その僚友の5号車コルベットが同一ラップで追い上げを見せ、最後の数時間はこの3台が首位を争う展開となった。
そんな中、レース残り25分というところでセーフティカーが導入。5号車コルベットDPが10号車コルベットDPを従える形で、残り時間10分を切ってからのレース再開となる。ただ、5号車コルベットDPをドライブするバルボサはポジションを死守。695周を終えて、1.4秒の僅差でトップチェッカーを受けた。
2位には、最後まで首位を攻め立てたウェイン・テイラー・レーシングの10号車コルベットDPが入り、3位にアクション・エクスプレスの9号車コルベットDPがつけた。4位にも90号車コルベットDPが入り、上位4位をコルベットDPが独占する形となった。LMP2勢の最上位は、3ラップダウンで5位につけたマッスルミルク・ピケットレーシングの6号車オレカ03・ニッサンとなっている。
オレカFLM09のワンメイクで争われるPCクラスでは、8スター・モータースポーツの25号車との争いを制し、最後は1ラップの差をつけてフィニッシュしたCOREオートスポーツの54号車がクラス優勝を果たしている。
GTLMクラスでは、SRTバイパー GTS-Rの2台が序盤に速さを見せていたが、トラブルにより後退。その後、911号車、912号車のポルシェ911 RSR勢と、4号車シボレー・コルベットC7.Rが首位争いを繰り広げるが、912号車ポルシェはマシンのチェックのために一旦ガレージへ向かってこちらも後退することに。
さらにその後、4号車コルベットも、ギヤボックスのトラブルによりガレージでの修復作業を受けることになり、911号車ポルシェが首位で終盤戦を迎えることになった。ただ、レース残り25分というタイミングでセーフティカーが導入されたことで、それまで1ラップダウンで首位を追っていた55号車BMW Z4 GTEが911号車ポルシェの背後に接近。ただ、再スタート後もオーバーテイクはならず、2.8秒差で911号車ポルシェがGTLMクラスでの優勝を果たした。
GTDクラスでは、チェッカー間際の再スタート後、レベル5モータースポーツの555号車フェラーリ458イタリアと、フライングリザード・モータースポーツの45号車アウディR8 LMSが激しいバトルを展開。555号車フェラーリがトップでチェッカーを受けたものの、最終周のインフィールドセクションで、555号車の動きにより45号車がコース外へ押し出されるような場面があり、555号車には75秒のタイム加算ペナルティが下された。
これにより、45号車が一度はクラス優勝を獲得したものの、その後の調査により、IMSAは555号車へのペナルティを撤回。75秒のタイム加算により4位となっていた555号車フェラーリがクラス優勝となり、45号車アウディは2位に収まる結果となった。
なお、このレースがデビュー戦となった2台のマツダLMP2 SKYCATIV-Dレーシングはともにリタイアを喫しているほか、Pクラスを戦う0号車デルタウイングDWC13もリタイアとなっている。