24日、フランスのポール・リカールで、トヨタが2012年にル・マン24時間含むWEC世界耐久選手権に投入するハイブリッドスポーツプロトタイプカーがお披露目された。名前はこれまでのスポーツカーの系譜をくみ、『TS030』と名付けられている。
昨年正式にアナウンスされ、ル・マン24時間をはじめとした世界耐久選手権に投入されるLMP1スポーツカーが、ついに正式に公開されることとなった。
ポール・リカールに日本人を中心とした限られたジャーナリストが招待されお披露目されたマシンは、流麗なクローズドボディに、ホワイトとレッド、ブルーの縁取りがされたカラーリングがあしらわれ、スープラHV-Rなどこれまでのトヨタのハイブリッドレーシングカー同様、ハイブリッドを思わせる模様が描かれている。また、デンソーやZENTなど、日本企業のスポンサーロゴが入った。
注目のマシン名は、これまでル・マンで激闘を展開してきたトヨタのスポーツプロトタイプカーの系譜をくみ、『TS030』と命名。エンジンは新開発の3.4リッターV8で、エンジンを含めたパワートレインの名前は『TOYOTA Hybrid System – Racing(THS-R)』という。
このTS030は、WEC第2戦にあたる5月5日のスパ6時間でデビュー予定。ドライバーにはすでに発表されているアレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴が決まっており、この日も真新しい白いスーツに身を包み笑顔をみせた。
さらに、6月のル・マン24時間と8月のシルバーストン6時間、さらに日本で開催される10月の富士6時間では、2台目の投入の可能性があるという。この2台目のドライバーには、スーパーGTやフォーミュラ・ニッポンで活躍する石浦宏明が候補となっているとのこと。石浦は先日のシェイクダウンテストでもすでにTS030のステアリングを握ったようだ。
トヨタが世界に誇る技術、ハイブリッドを耐久レースというフィールドで試すことになるこのTS030。これまでのTS010、TS020が果たせなかったル・マン制覇に向け、今後熟成を重ねていくことになる。