アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)のチャンピオンチームであるハイクロフト・レーシングは17日、今季のル・マン24時間耐久レースへの参戦を断念すると発表した。また同時に、ハイクロフトとホンダ/HPDの関係も終焉を迎えると明らかにした。
2009年・2010年とALMSのタイトルを獲得していたハイクロフト・レーシングは、今季LMP1クラスのARX-01eを導入。フルシーズンの参戦スケジュールを定めていなかったが、ALMS開幕戦でもあるセブリング12時間では総合2位でフィニッシュ。ル・マン24時間のエントリーリストにも名が記され、ガソリンエンジン車の中でも有力な存在と見られていた。
しかし、チーム代表のダンカン・デイトンによれば、ハイクロフトは3月に発生した東日本大震災の影響により、ホンダからの資金的なサポートが減額されてしまったため、今回のル・マン挑戦を断念せざるを得なかったという。
「我々はもちろん、地震と津波が日本の皆さんにどれほど甚大な影響を及ぼしたか理解しているし、日本の人々のビジネスが困難な状況に直面していることも理解している。このことがホンダからの決定に影響を及ぼしただろうし、彼らの決断に理解と敬意を示したい」とデイトン。
「とは言え、誰もが我々のHPD ARX-01eがル・マンで戦うことを楽しみにしていたんだ。今年のマシンは本当にコンペティティブだっただろうからね」
「ル・マン24時間は世界でも最も偉大なレースのひとつだ。でも、高いレベルで戦うには資金的にもきつくなる。適切なバックアップなしにはレースをすることはできないんだ。レースを楽しみにしていたハイクロフト・レーシングの皆に申し訳ないし、デイビッド(ブラバム)、マリーノ(フランキッティ)にも申し訳なく思う」
ホンダと分かれることになったハイクロフト・レーシングの今後の活動について「我々のパートナーとともに次のステップを踏む可能性がある」とデイトン。ALMSの他に、インディカー・シリーズへのフル参戦も視野の中にあるようだ。なお、今回のハイクロフトの参戦断念により、クロノス・レーシングのローラ・アストンマーチンがル・マンのリザーブリストから昇格となった。