ホンダは23日、昨年までスーパーGT500クラスとスーパーフォーミュラで活躍していた伊沢拓也が、2014年からGP2シリーズにARTグランプリから参戦すると発表した。
2015年からマクラーレンと組みF1に復帰するホンダは、これまでF1参戦に向け日本人ドライバーをヨーロッパに送り込みたい意志があると言われており、日本国内で活躍してきた伊沢、山本尚貴、塚越広大らを候補として検討していると噂されていた。
そんな中、ホンダは伊沢のGP2挑戦を発表した。伊沢はカートからF4に進んだ後、ARTA Projectのサポートを受けヨーロッパでフォーミュラ・ルノーに参戦。国内に戻ってからはフォーミュラ・ドリーム、全日本F3を経て、2008年にスーパーGTと当時のフォーミュラ・ニッポンにデビュー。両カテゴリーとも、近年は常に上位を争うドライバーに成長していた。
ホンダは今回の伊沢の起用に合わせて、これまで取り組んでいた鈴鹿サーキット・レーシングスクール・オブ・フォーミュラ(SRS-F)、ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)というドライバー育成プログラムを、マクラーレンのヤングドライバー育成プログラムと協調させると発表。F1ドライバー輩出に向けた取り組みを強化していくという。
「伊沢選手のGP2シリーズへの参戦はこのプロジェクトの一環であり、今後マクラーレン・レーシングとの連携をさらに強め、日本人ドライバーが世界で活躍できるチャンスを拡大していきます」とホンダ。
ひさびさのヨーロッパ挑戦が決まった伊沢は「今シーズン数多くのF1ドライバーを輩出し、世界のトップドライバーがしのぎを削るGP2シリーズへの参戦が決まり、これまでにない感情が湧いています」と語る。
「自分自身にとって大きな挑戦となりますが、その先に続くものがいかに重要かを考えれば、必ず成功しなければいけないプロジェクトだと思っています。もちろんプレッシャーもありますが、国内トップカテゴリーで6年間戦い、学んだことに自信を持ち、またホンダのチャレンジングスピリットを受け継いだドライバーとして、これから世界に向けて、新たな一歩を踏み出します。応援よろしくお願いします」
伊沢が所属するARTグランプリは、過去にニコ・ロズベルグやルイス・ハミルトン、ニコ・ヒュルケンベルグを王者に導いたGP2のトップチームのひとつ。ジャン・トッドの息子であるニコラ・トッドが共同オーナーに名を連ねており、今後マクラーレンのジュニアチーム化すると言われている。