第79回ル・マン24時間耐久レースは9日予選2回目が行われ、ブノワ・トレルイエがアタックした2号車アウディR18 TDIがポールポジションを獲得。1号車アウディR18 TDIが2番手に続き、アウディ勢がフロントロウを独占した。
完全ドライコンディションの中で行われた昨日のセッションに引き続き、ル・マンは予選2日目も朝から好天に恵まれた。その結果、第79回ル・マン24時間レースのポールポジションを獲得したのは、ブノワ・トレルイエがアタッカーを務めたアウディ2号車。2番手は同じくアウディの1号車。3番手はプジョー9号車という結果になった。LMP2クラスでは、シグナテック・ニッサン26号車がトップ。中野信治がアタッカーを務めたOAKペスカローロ・BMWは、僅差の5番手という結果になった。
この日の第1セッションが始まったのは午後7時。風が吹くと肌寒く感じられるようなコンディションの中、走行が開始される。ここで開始から35分という時点で、昨日の自己ベストタイムを更新する3分27秒602というタイムをマークしたのは、3号車アウディR18 TDIのアラン・マクニッシュ。だがその6分後、8号車プジョーのステファン・サラザンが昨日の総合トップタイムを1秒近く上回る3分26秒までタイムアップ。さらにその1分後には、7号車プジョーのマルク・ジェネがサラザンのタイムをも上回る3分26秒272を叩き出した。
そして、セッションの残り時間が10分を切ったあたりからタイムアタック合戦の様相に。ここでまず総合トップタイムを書き換えたのは、再びプジョー8号車のサラザン。しかし、それから1分も経たないうちにこのタイムを破ったのは、アウディ2号車のマルセル・ファスラーだった。
その結果、予選2回目、この日最初のセッションでトップに立ったのはアウディ2号車。2番手にプジョー8号車。以下、プジョー7号車、アウディ3号車、1号車、そしてプジョー9号車と続き、「40周も使用したタイヤと満タン状態でレースに向けての走行を行っていたんだよ」というロイック・デュバルが3分30秒828と、総合7番手のタイムをマークしている。
2回目のセッションが始まったのは、夜の帳が下り始めた午後10時。セッションが開始されるとわずか12分というところで、アウディ1号車のロマン・デュマがトップタイムをマーク。
その5分後、セッションは赤旗で中断される。これはラグジュアリー・レーシングのフェラーリ58号車がクラッシュしたため。マシンの回収が終わり、セッションが再開されたのは午後10時40分。
その再開から30分余り。午後11時15分に、再びトップタイムを書き換えたのは、ブノワ・トレルイエがアタッカーを務めたアウディ2号車だった。ユーズドタイヤでコースに向かったトレルイエは、途中渋滞につかまったものの、最初のセッションで僚友ファスラーがマークしたタイムをコンマ2秒あまり更新。デュマのタイムを上回って、トップに立った。その後、セッション終盤になって、プジョー9号車が自己ベストを更新したが、トップには及ばず。一方、このセッションでは最後にアタックに向かい、セクター1まで自己ベストで走っていたアウディ3号車のトム・クリステンセンがテルトルルージュでクラッシュ。マシンにも、ある程度のダメージを受けることとなった。
トレルイエにとっては、子供の頃から憧れた地元のビッドイベント、ル・マンでの初ポール獲得という快挙。アウディのメカニックやスタッフだけでなく、日本人プレス関係者や日本から駆けつけた熱心なファンも、みな大喜びだった。