WEC世界耐久選手権第7戦富士は13日、予選が行われ中嶋一貴がアタックを担当した7号車トヨタTS030ハイブリッドが1号車アウディR18 e-トロン・クワトロを下しポールポジションを獲得。中嶋一貴はWECで日本人初のポール獲得を果たした。
13時30分からスタートしたWEC第7戦富士の予選。WECの予選ではLM-GTEプロ/アマクラス、LMP1/2クラスが分かれて行われることもあり、13時30分からの20分間はLM-GTEクラスの車両がコースインした。
コンディションの好転を待って各車ゆっくりとコースインする中、終盤に向けてアタックが展開され、LM-GTEプロクラスはこの週末好調のフェルバーマイヤー・プロトンのマルク・リエブ/リチャード・リエツ組77号車ポルシェ911 GT3 RSRがポールポジションを獲得。2番手にはジャンカルロ・フィジケラ/ジャンマリア・ブルーニ組51号車フェラーリ458がつけた。LM-GTEアマクラスはクリストフ・ブレ/パスカル・ギボン/ジャン-フィリップ・ベロク組ラルブル・コンペティションの70号車シボレー・コルベットC6-ZR1がポールを獲得した。
10分間のインターバルを置いてスタートしたLMP1/P2の予選。1号車アウディR18 e-トロン・クワトロを先頭に続々とコースイン。まずはいきなり1号車アウディのブノワ・トレルイエが1分27秒813と、いきなり27秒台に入れてきた。次いでトム・クリステンセン駆る2号車アウディが1分28秒458をマーク。まずは1号車のタイムがターゲットとなった。
一方、中嶋一貴が乗り込んだ7号車トヨタTS030ハイブリッドは、トヨタ自動車豊田章男社長が見守る中、アタックを敢行。アタック1周目はLMP2クラスのマシンに引っかかったものの、2周目には午前のタイムをも上回る1分27秒499をマーク! トップに躍り出た。
その後一度ピットに戻り、アウディ、トヨタの両陣営はピットで時間を過ごすことになるが、再度のアタックは行われず。結局、セッション終了までこの一貴のタイムを破るマシンは現れず、一貴のタイムがそのままポールポジションタイムに。見事一貴&トヨタTS030ハイブリッドが、WEC富士でポールを獲得することとなった。
一貴の父・中嶋悟は1986年のWEC in JAPANで、トムス・トヨタ86Cを駆りポールポジションタイムをマークするも、Tカーでのアタックだったこともありタイム抹消。“幻のポール”と言われていた。今回、一貴が見事父の“リベンジ”を果たすこととなった。もちろん今年から始まったWEC世界耐久選手権で日本人のポール獲得は初となる。なお、旧WEC in JAPANでは87年に和田孝夫が、88年に岡田秀樹がポールを獲得した。
2番手は1号車アウディがつけ、3番手には2号車アウディがつける形に。LMP1のガソリン車勢では、これまでのセッションでHPD ARX-03a勢の後塵を拝していたレベリオン・レーシングのローラ・トヨタが4番手につけた。佐藤琢磨が乗り込む15号車OAKペスカローロ・ホンダは、ベルトラン・バゲットがアタックを担ったものの、9番手に留まった。
LMP2クラスはここまで好調のスターワークス・モータースポーツのHPD ARX-03bがポールポジションを獲得。中野信治が乗り込むADRデルタの25号車オレカ・ニッサンは、ジョン・マーティンがアタックを担当しクラス2番手につけた。井原慶子が乗り込むガルフレーシング・ミドルイーストのローラ・ニッサンはファビアン・ジロワがアタックを担当し、クラス9番手に。クラス最下位を脱出している。