WEC世界耐久選手権第7戦富士スピードウェイに、LMP1クラスにOAKレーシングの15号車OAKペスカローロ・ホンダで参戦している佐藤琢磨は、予選後「僕たちなりのフィーリングは確実に良くなっている」と着実にマシンが進歩した手応えを感じたと語っている。
今回のWEC第7戦富士が初めてのスポーツカー耐久レース挑戦となる琢磨だが、今回が初めてのパッケージとなるOAKペスカローロ・ホンダに対し水曜日からセクター3でのグリップ不足を指摘しており、タイムとしてもLMP1クラスの最後尾に回ってしまう苦しい展開となっていた。
しかし、チームメイトのベルトラン・バゲット、ドミニク・クライハマーと協力しながら、琢磨のこれまでの経験を活かしエンジニアとさまざまな試行錯誤をした結果、「僕たちとしてはすごく良くなってきていますね」と琢磨はこれまでに比べ良い感触を得ていると語る。
「予選ではベルトランが頑張ってくれたけど、P1のいちばん下になってしまった。でも、上位との差は縮まってきているし、僕たちなりのフィーリングは確実に良くなっている。明日は長丁場ですからね。楽しみにしています」と琢磨。
これまでずっとフォーミュラで戦ってきた琢磨にとっては、もちろんレースでのドライバー交代も初めての経験。「ドライバー交代の練習をするのも初めてです。速く飛び出るのは、今までも脱出訓練なんかでやってきましたけど、速く乗り込むのは初めてですね(笑)」という。
予選後その練習に挑むなど、初めての耐久レースに向けて着々と仕事をこなす琢磨。「準備はできています」と自信がありそうだ。
「明日はこれまでやってきたことがいい方向にいくことを願っています。ストレートスピードは速いので、セクター3までに遅れなければオーバーテイクもできるんじゃないかと思っています」という琢磨の“見せ場”、オーバーテイクにも期待したいところだ。