10日、FIAはFIA GT1世界選手権の2011年カレンダーを発表した。来季は中国・内モンゴルのオルドスでのレースをはじめ全10戦となっているが、参戦チームについては、資金との兼ね合いから不透明なチームも多くいるようだ。
初の世界選手権となった今季のFIA GT1は12月5日にアルゼンチンで今季の最終戦を迎えたが、来季継続して参戦するかどうかについては、大半のチームが回答をし兼ねている状態だと言われれている。継続参戦を希望する声は大半ではあるが、そのためにはどのチームもスポンサー獲得とドライバーの持ち込み資金を得る必要があるという。
FIA GT1のチーム運営資金や参加費は、F1ほどではないがかなり高額であり、今シーズン中も多くのチームが経済的に苦しんでいた。2010年のエントリーも、最初の期限では規定数のチームが集まらずに締め切りを延長されていた。それと同じ問題がまた来季も起こることが予想されている。
既存チームの中では、ニッサンGT-Rで参戦するスモーパワーGTチームは来年も参戦を継続すると言われているが、荒聖治が所属するスイスレーシングは、継続参戦を希望しているものの、現時点では未定だという。一方、フォードGTで参戦するベルギーのマルクVDSチームは、来年の参戦は無いと思われていたが、継続参戦することになったようだ。その他のチームは、グレーゾーンも含めて大半が即答出来ない状況である。
レクサスLFAを使用するのではないかと噂されていたヴィータフォン・レーシングは、1月末に来季についての発表を行うとしている。チーム監督でドライバーのミハエル・バルテルスは、「現行のFIA GT1のマセラティMC12のホモロゲーションが有効なうちは、この大好きなマセラティでの参戦を継続したい」としているが、フェラーリが開発したF458で出場するのではないかとパドック裏では囁かれている。
最終戦の後に船で運ばれるFIA GT1車両は、各チームにレーシングカーや機材が戻るのが2月。その後、来季開幕戦のアブダビに向けてテストやバランス・オブ・パフォーマンスなどが慌しく行われる予定だ。そして、3月末には早くも開幕戦がヤス・マリーナで開催される。この短期間の間で資金を集め、開幕戦のスタートラインに立つことができるチームはどの程度現れるのか、注目が集まるところだ。