8月7日に突如、今年のWECへの参戦を延期したニッサンGT-R LMニスモ。8月末に開催されるニュルブルクリンクでのWEC第4戦には2台体制でエントリーしていたが、ル・マンで発生した技術的な問題を受けて「問題の解決に時間を割く」ためとして今シーズンのWECへの参戦を延期することを発表した。
オートスポーツ本誌では、この決定に至った真意を含めて8月8-9日に開催されたスーパーGT第4戦富士の現地にてニスモ宮谷正一社長に聞くことができた。
「基本的には、もう少し開発をきちんとしなければいけない、という日産自動車としての判断です」と話し始めた宮谷社長。さらに、今後の展望についても明らかにした。
「(今後も)FFというコンセプトは変わりません。今年のル・マンは、端的に言うと準備不足でした。それをすぐに『じゃあもう(FFを)やめます』というものではないので、きちんと戦闘力を高めるための開発をし、それをテストして玉成していって、来年に向けてはきちんと戦闘力を高めよういう、まずはそこなんです」
ここで「FF」というコンセプトの継続と、「来年」というキーワードが出たが、なぜFFにこだわるのか、そして「来年」という言葉から、10月の第6戦富士には間に合わないということなのか……。
さらにはGT-R LMニスモはル・マン24時間のレースで機械式フライホイールを使用したハイブリッド・システムが機能していないことが明らかになったが、「ERSについては、かなり抜本的に変えようと思っています」と、宮谷社長は機械式ホイールを見切っての別方式採用を示唆した。
以上の件も含めて、さらなる宮谷社長へのインタビュー内容は8月21日(金)発売のオートスポーツNo.1413に掲載されている。