11月19日〜22日に開催される第62回マカオグランプリで、FIA-GT3車両の“世界一決定戦”とも言える『FIA GTワールドカップ』が初開催される。

 FIA-GT3規定車両による“ワールドカップ”の構想は、FIA-GT1選手権の後を継ぐ形となったFIA-GTシリーズの終了に伴って、2013年末にFIAが提案。その後、今年のマカオGPで開催されることが発表されるとともに、ブランパンGTシリーズを運営するSROモータースポーツ・グループが運営することが明らかになっていた。

 当初は7マニュファクチャラーの参戦が見込まれていたこのGTワールドカップだが、初開催となる今年は、最終的にはメルセデス、マクラーレン、アウディ、ポルシェ、そしてアストンマーチンの5マニュファクチャラーが参戦。マニュファクチャラーによるエントリー以外のマシンも含めて、11月12日時点の暫定エントリーリストには22台が名を連ねた。

 各マニュファクチャラーは最大3台までエントリーさせることができ、メルセデス以外の4社は3台を投入。メルセデスのみ2台のエントリーとなった。また、マニュファクチャラー枠以外からは8台がリストに名前を連ねている。

 メルセデスは、メルセデスAMGドライビングアカデミーから2台のメルセデスベンツSLS AMG GT3を投入。1号車をドライブするのは、昨年のマカオGTカップ(※これまでマカオGPで開催されてきたFIA-GT3車両を中心としたレース)ウイナーのマーロ・エンゲルだ。

 マクラーレンは、FFFレーシングチームから3台のマクラーレン650S GT3を投入。5号車には、マカオ出身で2000年にはF3マカオGPで優勝。今シーズンはGT300クラスで最終戦を待たずしてチャンピオンを獲得したアンドレ・クートが名を連ねる。また、15号車をドライブするケビン・エストレは、マクラーレンのファクトリードライバーだ。

 アウディは、フェニックス、WRT、そしてアウディホンコン(※オペレーションはWRT)から各1台のアウディR8 LMSを投入。フェニックスの6号車は、マカオGTカップで3連勝(2011〜13年)を飾っているほか、F3マカオGPで2連勝(09〜10年)を果たした経験をもつエドアルド・モルタラがドライブする。またWRTの7号車には、当初ローレンス・バンスールが名を連ねていたが、ブランパン・スプリントの第6戦での負傷の治療に専念するため、レネ・ラストが起用された。ラストは、ニュルブルクリンク24時間やスパ24時間での優勝経験をもつとともに、今年のル・マン24時間ではアウディの3台目をドライブした。

 ポルシェは、エスト・コーラ・レーシングチーム、LKMレーシングチーム、そしてガルフレーシングJPから各1台のポルシェ997 GT3Rを投入する。LKMの19号車のドライバーを務めるのは、今年のル・マン24時間で総合優勝を飾ったアール・バンバーだ。

 そしてアストンマーチンは、クラフト・バンブーから3台のアストンマーチン・バンテージGT3を投入。マカオGTカップ初開催となった08年のウイナーでもあるダリル・オーヤン、アストンマーチンのファクトリードライバーとしてWEC世界耐久選手権などに参戦するステファン・ミュッケ、そしてスーパーGTでも活躍するリチャード・ライアンという強力なドライバーラインアップとなった。

 また、マニュファクチャラーとしての参戦ではないものの、ベントレー・チームアブソリュートが3台のベントレー・コンチネンタルGT3を投入。88号車をドライブするのは、09年と10年にマカオGTカップを制している澤圭太だ。澤は、このGTワールドカップに参戦する唯一の日本人ドライバーとなる。

 5つのマニュファクチャラーとともに、強豪ドライバーたちが名を連ねるGTワールドカップ。
19日と20日の午前に練習走行、20日午後に予選が行われる。そして21日には12周(もしくは45分間/先に到達した方を採用)の予選レースが実施され、22日に18周(もしくは60分間)の決勝レースが開催される。

 この決勝レースでは、各マニュファクチャラーの上位2台がポイントを獲得し、合計ポイントの多いマニュファクチャラーが初代FIA GTワールドカップの勝者となる。ポイントシステムはF1と同様で、1位から10位まで25-18-15-12-10-8-6-4-2-1とポイントを得ることができる。また、マニュファクチャラー以外のエントリー車両は、ポイントを獲得することができない。

 初開催となるこのGTワールドカップで、“世界一”の栄冠を手にするのは一体どのマニュファクチャラーとなるだろうか。

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