5月9日(日)、ベルギー・スパ・フランコルシャンでLMS第2戦、スパ1000㎞kmレースが行なわれた。レース途中、アルデンヌ地方全体が停電に見舞われるという事態が発生し、30分余りに渡って中断されたレースは、変則的な6時間で行なわれた。
赤旗以外にも、3回セーフティカーが入ったレースでは、速さに勝るプジョー勢に対して、アウディ7号車が絶妙なピットストラテジーを見せた。それに対抗する形で、中盤から2スティント同じタイヤで走る作戦を取ったのがプジョーの3号車。結局、こうしたピットストラテジーが勝敗にも絡んだ。さらに、レーススタート時に路面を濡らした雨が、残り30分余りというところから再び落ち始め、終盤にもピット作業での判断がアウディとプジョーでは分かれた。アウディ7号車は最後にカットスリックを選ぶが、プジョー勢はスリックタイヤのまま走り続けた。
その結果、午後5時34分30秒にチェッカーフラッグが提示されると、そこを真っ先に通過したのはプジョー3号車。残り時間がわずかに4分というところで逆転し、2位に入賞したのは、プジョー2号車、そして、終盤のタイヤ交換が奏功せず、7号車は3位という結果になった。以下、プジョー1号車、アウディ9号車という結果になった。注目の日本勢が乗り込んだマシンは、アンドレ・ロッテラーがスタートドライバーを務めたアウディ8号車がフォーメーションラップ中にスピン、クラッシュするアクシデント。ロイック・デュバルがドライブする予定だったオレカのプジョーは、スタートを務めたオリビエ・パニスがレース序盤に他車と接触してスピンアウト、クラッシュ。残念ながら、デュバルはこのレースで走ることなく、リタイヤという結果になった。
午前11時半。フォーメーションラップがスタートする頃に、曇り空から雨が落ち始めたスパ。そんな中、49台のマシンがスリックタイヤを装着して、いよいよ隊列走行に入る。ここでまず波乱が発生。ミディアムのスリックタイヤを装着していた、アウディむ8号車のアンドレ・ロッテラーがコース中ほどで、いきなりスピンアウト。マシンはタイヤバリアに激突し、マシンの右リヤを破損した。ロッテラーは、そのままピットイン。マシンの修復作業に入る。
このフォーメーションラップ中には、オリビエ・パニスの駆るオレカのプジョー4号車も360度スピンを喫するなど、路面は非常に滑りやすいコンディションだった。そして、正式スタートが切られた直後にも、波乱が。PPからスタートしたプジョー3号車のペドロ・ラミーが、1コーナーにあたるラ・ソースでスピンし、ポジションを落とした。代わってトップに立ったのは、プジョー2号車。オレカの4号車、アウディ7号車、プジョー1号車、アウディ9号車と続く。しかし、オープニングラップで1台のマシンが激しくクラッシュ。その影響で、コースにはいきなりセーフティカーが導入された。このセーフティカーがピットに戻り、レースが再開されたのは、4周を終えた時点。
しかし、この直後のオー・ルージュで再びハプニングが発生する。4番手を走っていたオレカのプジョー4号車に並びかけようとした、リベリオン・レーシングの13号車が4号車の右リヤタイヤに左フロントをヒット。その影響で、4号車は時計回りにスピンしながら、コースを横切ってタイヤバリアに激突。マシンに大きなダメージを負って、リタイヤを余儀なくされた。
その後、レース序盤は、プジョーの2号車と1号車が逃げる展開。その後方では、アウディ7号車と追い上げてきたプジョー3号車の接近戦が演じられた。9周目の最終コーナーから10周目のラ・ソースにかけて、この争いには決着。7号車の前に出た3号車はハイペースで追い上げにかかる。この頃には、雨も上がり、路面は再び完全なドライコンディションに。しかし、17周目に41号車のジネッタ・ザイテックがクラッシュすると、再びコース上にはセーフティカーが入った。
