クライスラーは4日、ニューヨーク・インターナショナル・オートショーでSRTバイパーGTS-Rを公開し、今季のアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)に参戦すると明らかにした。
クライスラーのブランドのひとつ、ダッジが誇るスポーツカーであるバイパーは、1996年からル・マン24時間をはじめとしたスポーツカーレースにダッジ・バイパーGTS-Rとして参戦。ALMSやル・マン24時間、さらにデイトナやスパでも勝利を挙げ、1990年代のGT1マシンの代表格と言える存在だった。
ここしばらくダッジ・バイパーのレーシングモデルは発表されていなかったが、クライスラーは4日、ハイパフォーマンスブランドであるSRT(ストリート・アンド・レーシング・テクノロジー)から、新型のバイパーをベースにSRTバイパーGTS-Rを制作、今季のALMSに参戦するとともに、将来カスタマーチームへのデリバリーを開始すると明らかにした。
また、SRTでは今後スポーツカーレースで培ったテクノロジーをフィードバックしたストリートバージョンも2013年に発売するという。
ALMSには2台体制で参戦する予定で、ドライバーを務めるのは、ドミニク・ファーンバッハー、マルク・グーセン、クノ・ウィットマー、そしてライアン-ハンター・レイというメンバー。インディカードライバーであるハンター-レイはもちろん、過去にスーパーGT300クラスでも3勝を挙げた経験をもつファーンバッハーには、SRTからの熱烈なラブコールがあったようだ。
ファーンバッハーは2011年に、SRTバイパーACRでニュルブルクリンクのタイムアタックを行い、その時のドライビングが評価されたという。「大好きなALMSで、それもワークスドライバーとしてフル参戦出来ることは最高に嬉しいね」とファーンバッハー。
ALMSの中でも最高の激戦区とも言えるLM-GTクラスは、昨年王者であるBMWチームRLLのBMW M3 GTをはじめ、コルベット・レーシングのシボレー・コルベットZR1、フェラーリ458GTE、ポルシェ997 GT3 RSRが競り合う。ここにバイパーGTS-Rがどう戦いを挑むのか、今から楽しみなところだ。