4月27日(日)、2025年WRC世界ラリー選手権の第4戦『ラリー・イスラス・カナリアス』の最終日デイ3がスペインのカナリア諸島、グラン・カナリア島のラス・パルマスを起点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1/69号車)が優勝を飾った。

 さらにセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合2位、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位となり、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)も総合4位に続いたことで、TGR-WRTは1-2-3-4フィニッシュを達成した。

 ラリー・イスラス・カナリアスの最終日デイ3は、島の南側エリアで2本のステージを各2回走行。その間にはレーシングカート・サーキットでのスーパーSSが1本行われ、5本合計58.38kmのステージでタイムが競われた。島南側のステージは早朝から好天に恵まれて青空が広がり、路面はドライ。ラリー最終日にふさわしい、素晴らしいステージコンディションとなった。

 デイ1の全6ステージを制し、デイ2でも6本のベストタイムを刻み首位を独走していたロバンペラは、最終日の朝もライバルを圧倒するハイペースで走行。2本の山岳ステージで連続ベストタイムを刻み、総合2番手のオジエとの差を51.1秒に拡げた。

カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)
カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第4戦ラリー・イスラス・カナリアス

 続く、1.5kmのレーシングカート・サーキットでのスーパーSS、SS16ではオジエが今大会初のベストタイムを他のふたりのドライバーと分け合い、ロバンペラは0.6秒差の9番手タイム。オジエはSS17も制し、両者のタイム差は49.5秒となった。

 そして迎えた、ボーナスポイントがかかる最終パワーステージ、SS18ではロバンペラが今大会15本目となるベストタイムを記録。2番手タイムのオジエに4.0秒という大差をつける圧巻の走りでパワーステージを制し、今シーズン初の優勝に華を添えた。

 彼のWRCでの優勝は昨年9月のラリー・チリ・ビオビオ以来となり通算16勝目。これまでトヨタのドライバーとしての優勝回数では15回でカルロス・サインツ、オジエと並んでいたが、今回の勝利により単独トップとなった。

 さらに、この勝利でTGR-WRTは開幕から4連勝を達成。オジエが総合2位、エバンスが総合3位でフィニッシュしたことにより表彰台を独占し、さらに勝田が総合4位に入ったことで2023年のサファリ・ラリー・ケニア以来となる、1-2-3-4フィニッシュを飾った。

TOYOTA GAZOO Racing WRTが表彰台を独占
2025年WRC第4戦ラリー・イスラス・カナリアス 表彰式

 また、日曜日だけのタイムで競われる“スーパーサンデー”と、最終パワーステージも制したことで、ロバンペラはパーフェクトウインを達成。ドライバー選手権ランキングでは、第3戦終了時点での5位タイから、2位へと大きく順位を上げ、選手権首位の座を守ったエバンスとの差を43ポイントに縮めた。

 また、オジエは総合2位、スーパーサンデー2位、パワーステージ2番手タイムと、ロバンペラに次ぐ好結果を残し、チームの最大マニュファクチャラーズポイント獲得にも大きく貢献した。そしてエバンスは開幕4戦で、2回の優勝を含む4度のポディウムを獲得。今回も総合3位、スーパーサンデー3位、パワーステージ3番手タイムと、安定した速さでラリーを走り切り、確実にポイントを積み重ねた。

 TGR-WRTとしては、総合順位、スーパーサンデー、パワーステージのすべてで獲得可能な最大ポイントである60ポイントを加算することに成功。マニュファクチャラー選手権首位の座を守り、2位ヒョンデ・シェル・モービスWRTとの差を51ポイントとし、さらに拡大した。

 完勝をあげたTGR-WRTのユハ・カンクネンチーム代表代行は、「このような結果はめったにないことなので、本当に嬉しく思う」と喜びを語っている。

「チーム全員の努力のおかげで、テストからセッティングまですべてが順調に進み、ドライバーたちがこのコースで完璧に操ることができるようなクルマに仕上がった」

「カッレ(・ロバンペラ)のスピードは非常に素晴らしく、10点満点のドライブだった。彼はとてもリラックスしてクリーンな走りを続け、この週末を完全に支配下に置いた。私にとって彼のパフォーマンスは驚きではない。彼はトップギヤに入ると本当に速い走りをする、スピードボーイだからね」

ユハ・カンクネン代表代行(TOYOTA GAZOO Racing WRT)
ユハ・カンクネン代表代行(TOYOTA GAZOO Racing WRT) 2025年WRC第4戦ラリー・イスラス・カナリアス

「さらに彼だけでなく、今回はチーム全員が素晴らしい走りを見せてくれた。セブ(セバスチャン・オジエの愛称)は今年2戦に出場して1位と2位を獲得し、エルフィン(・エバンス)も引き続き素晴らしい仕事を続け、(勝田)貴元もこのラリーでの走りは本当に良かったと思う」

「今シーズンはまだ多くのラリーが残っており、競争はさらに激しくなると予想されるが、私はチームの仕事に自信を持っているよ」

 2025年WRCの次戦は、第5戦『ラリー・ポルトガル』。グラベル(未舗装路)の山岳地帯を舞台に、回り込むコーナーと大きなアップダウンが特徴的なSSを走る伝統の一戦だ。第5戦は5月15日(木)から18日(日)にかけて開催される予定だ。

セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)
セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第4戦ラリー・イスラス・カナリアス
エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)
エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第4戦ラリー・イスラス・カナリアス
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第4戦ラリー・イスラス・カナリアス

本日のレースクイーン

藤白玲華ふじしろれいか
2025年 / スーパーGT
Pacific JLOC Angels
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

  • auto sport

    auto sport 2025年6月号 No.1608

    [特集]レッドブル 角田裕毅
    5つの進化論

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円