MORIZO Challenge Cup 第6戦 RALLY HOKKAIDO
シーズン最難関のグラベル戦
3秒差をしのぎ切った三枝聖弥が初勝利
9月4日(金)から6日(日)にかけて、2026年シーズン全日本ラリー選手権第6戦『RALLY HOKKAIDO(ラリー北海道))』が、北海道帯広市を拠点に開催されました。JN-3クラス内で展開されるMORIZO Challenge Cup(MCC)において、IMSFから参戦する三枝聖弥選手/木村裕介選手がMCC勝利を飾りました。また、今大会で5位に入った平川真子選手が、女性ドライバーの年間チャンピオンに輝きました。
MCCは、若手ドライバーの育成とラリー競技の活性化を目的に2024年からスタートし、今年で3年目を迎えます。全日本ラリー選手権JN-3クラスの車両規定をベースに、改造範囲を狭めたGRヤリス/GRヤリスDATで腕を競い合う取り組みとして大きな注目を集めてきました。対象となるのは25歳以下(一部条件付きで28歳以下)の若手ドライバーで、2026年シーズンは全日本ラリー選手権全9戦において開催されます。また、全日本ラリー選手権とは別にMCC独自のポイントが付与され、1位~3位までの上位入賞者、最多SSトップタイム賞、最優秀女性ドライバー賞が表彰されます。
第6戦ラリー北海道の舞台となる十勝・帯広は、これまでも世界ラリー選手権(WRC)やアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)の舞台となってきました。十勝地方の林道や、陸別のオフロードサーキットに設定されたスペシャルステージ(SS・タイムアタック区間)は、全日本ラリー選手権屈指の距離と難度を誇ります。雨が降った場合は、柔らかい路面に深い轍が刻まれることから、2回目の走行では厳しいコンディションに見舞われることも少なくありません。
今シーズン最後のグラベル(未舗装)ラリーとして開催されるラリー北海道には、ポイントリーダーの奥井優介選手、前戦カムイを制した長尾綱也選手をはじめ、米林慶晃選手、三枝聖弥選手、平川真子選手、及川紗利亜選手という6名がエントリーしました。
9月4日、恒例となったラリーショーとセレモニアルスタートが帯広駅前で実施され、選手たちは、集まった多くの観客の皆さんにサインをしたり、ファンサービスを行いました。翌5日、競技初日の天候は快晴となりましたが、レッキ期間中は開催エリアが雨に見舞われたこともあり、路面の一部は水分を含み、滑りやすい状態が残っています。
SS1は、奥井選手が三枝選手に0.2秒、米林選手に6.3秒差をつけるSSトップタイムをマーク。続くSS2では、長尾選手に3.5秒差の2番手タイムでまとめた三枝選手が僅差ながらも奥井選手をかわし、MCCのトップに立ちました。その三枝選手は今回最長の23.49kmを走るSS3でトップタイム。SS2番手の米林選手に13.7秒差をつける圧倒的な速さを見せます。三枝選手はSS4も制し、SS5を終えて2番手の米林選手に26.3秒、3番手の奥井選手に29.2秒差をつけてMCC首位の座を快走します。
陸別でのリモートサービスを挟み、ラリー初日は残る3SSヘ。複数回の走行で路面コンディションが悪化するなか、SS6は奥井選手が三枝選手に8.0秒差、米林選手に9.9秒差をつけるトップタイムをマーク。これで奥井選手が米林選手を抜いて2番手にポジションを上げます。首位の三枝選手はSS7でもトップタイムを記録し、SS8を終えて2番手の奥井選手に25.9秒差をつけて初日を折り返しました。奥井選手の3.5秒差には、3番手の米林選手が迫っています。
前日に続き朝から晴天が広がったラリー最終日、初日は思うようにペースを上げられず、4番手に留まっていた長尾選手がスパート。SS9からSS11まで3連続トップタイムをたたき出し、前戦ウイナーとして存在感を示します。首位の三枝選手は前日までに築いたリードを活かして、堅実なペースで走行。2番手の奥井選手はSS9とSS10を2番手タイムでまとめ、米林選手との差を7.3秒に拡大しています。
残された最後のセクション、三枝選手は最終SSでタイムロスを喫したことで、2位の奥井選手に3.0秒差にまで迫られたものの、首位の座を守り切ってフィニッシュ。待望のMCC初勝利を手にしました。12.5秒差の3位には、奥井選手とのギャップを詰め切れなかった米林選手。4位の長尾選手は、午後のSSでも3本のトップタイムを並べ、初日と合わせて8SSを制したことで“最多SSトップタイム賞”を獲得しました。また、5位に入った平川選手は、今大会で2026年シーズンの女性ドライバーチャンピオンを確定させました。
■全日本ラリー選手権第6戦ラリー北海道
MORIZO Challenge Cup最終結果
| Pos. | Driver&Co-Driver | Car | Time/Gap |
|---|---|---|---|
| 1位 | 三枝聖弥/木村裕介 | IMSF DL GRヤリス 初号機 | 1h23’24.8 |
| 2位 | 奥井優介/藤田めぐみ | クスコGRG水戸けやき台DL WMヤリス | 0’03.0 |
| 3位 | 米林慶晃/菅野総一郎 | KTMS NRS GRヤリス | 0’12.5 |
| 4位 | 長尾綱也/尼子祥一 | DL WPMS GRヤリス | 1’50.7 |
| 5位 | 平川真子/冨本諒 | TGR-WRJ GR YARIS DAT | 5’06.9 |
| 6位 | 及川紗利亜/山本磨美 | DL WPMS GRヤリスDAT | 19’17.7 |
●三枝聖弥(MCC1位)
「やっと勝ち切ることができました。初日は本当に調子が良かったのですが、最終日は少し守りに入ってしまったことで、乗れていないと感じる局面も多かったです。それでも、今回はSS1から最後までしっかりと走り切れましたし、全体を見ればポジティブな面が多いです。ただ、土手から落ちかけたり、いくつかミスもありました。この点に関しては、反省点として今後に向けて煮詰めていきたいと思います」
●奥井優介(MCC2位)
「今回、1回目の走行を経て、再走するステージでタイムを上げていくことができました。最終日は、自分自身の持っている力を出し切れば、ライバルと戦えると考えていたんですが、最初の走行でミスをしてしまうと、2回目の走行で抑えすぎてしまう傾向がありました。抑える時と攻める時の配分が、まだまだ課題だと実感しています。それでも前戦のラリー・カムイ、今回のラリー北海道でマイレージを稼いだことで、グラベルにも慣れてきました。最終SSでは、自分としても手応えのある走りができたと思っています」
●米林慶晃(MCC3位)
「あらためて、グラベルラリーの奥の深さを感じています。今回は『自分ができる最大限の走りを見せる』という目標を常に持ちながら、すべてのSSを走りました。ただ、それだけではタイムが及ばない場面がいくつもありました。もう少し色々な課題に向き合って、腕を磨く必要があります。ドライビングテクニックに関しても、まだまだ伸びしろがあるはずです。去年はあんなにうれしかった3位表彰台が、今年はこんなに悔しい3位になりました」
●長尾綱也(MCC4位/最多SSトップタイム賞)
「初日はパンクもあり、色々と歯車がかみ合わないことが多く、自分としても落ち込みそうになりました。そこから、しっかり睡眠を取って気持ちを切り替え、最終日に強い気持ちで挑むことができました。すべてのSSでトップタイムを獲得できましたし、JN-3クラスでもトップタイムをマークできたのは大きな収穫です。今後は、今回のような展開を繰り返さないように、気をつけていきたいです」
●平川真子(MCC5位/最優秀女性ドライバー賞)
「まず、女性ドライバーのシリーズチャンピオンを獲得できて、ホッとしています。本当は前戦のラリー・カムイでチャンピオンを確定させて、ラリー北海道はポイントを気にせず走りたかったという思いもありますが、それでも『今回で絶対決める』という強い意志を持って挑みました。ここまでサポートして下さった皆さんの思いを乗せて走ることができたと思います。残り3戦はもっと差を広げて勝ちたいですし、総合でもトップに食い込んでいけるように頑張ります」
●及川紗利亜(MCC6位)
「初日のSS8フィニッシュ後、右フロントからクーラント液が漏れているのが分かりました。チームの指示で水を足しながらサービスを目指しましたが、走行を続けることが困難となり、最終日に再出走することを決めました。北海道のラリーはただ攻め続けるのではなく、クルマを労わりながら、踏むべきところで踏まなければならない、自分を試されるラリーだということを感じました。あらためて、多くの学びがあったラリーでした」


