オープニングラップの事故に巻き込まれた94号車については、プジョーはさらなるタイムロスを防ぐ方法を見つけるのに奔走したと説明した。
ジャンソニは、タイヤパンクとボディワークのダメージに対処するための“クイック・ターンアラウンド”の一環として、このアクシデントの後フランスチームがマシンを2回に分けてピットに入れたことを明かした。
「スポーツルールの最適化を図るために、2回に分けて回復作業を行った。私たちはラップダウンにならないようにしたんだ」
「フロントとリヤ(のボディワーク)を交換したが、どちらにもダメージがあった。1回目のストップでタイヤを交換し、2回目でフロントとリヤを換えている」
このクルマが1周目に受けたダメージはレース後半にタンブレロで発生した左フロントタイヤのバーストとは無関係だと考えられているが、タイヤ交換に不可欠なものを利用できなくした。
「エアジャッキはスタート直後からダメージを受けていたと思う」と語ったジャンソニ。このフランス人は、エアジャッキの問題がレースの残りの期間も続いたことを示唆した。
このためプジョーは、2021年のル・マン24時間レースでチームWRTがLMP2クラスで優勝する際に使用したのと同様に、空気で膨らませたバルーンを使って車体を持ち上げ、タイヤ交換を行っていた。。
「悪夢のようなピットストップだった。エアバッグを使ってクルマを持ち上げなければならなかったんだ」と同氏は振り返る。「もちろん、できる限りピットストップの回数を減らそうと努力したよ」
この奇妙なピット作業の様子は国際映像にも捉えられており、メカニックがエアバッグで持ち上げられた車体を意図的に傾けてタイヤ交換をしやすくしようとしたり、作業後にうまくエアバッグが引き抜けずにタイムを失うシーンなどが映し出されていた。