ところが、波乱の展開はまだ終わらず、2番手を走行していたポルシェ2号車がLMP2クラスのマシンに追突され、破損したリアカウルを修復するため緊急ピットイン。これにより堅実なペースで走行を重ねていたトヨタTS050ハイブリッド6号車が接近し、小雨の降るコンディションでステファン・サラザンがオーバーテイクを決め3位に浮上する。
その後も6号車のペースは良好で、レース残り20分のところで、2位を走行していた7号車のアウディに接近するもそのまま3位でフィニッシュ。6号車は、初日に行われたフリー走行でモノコックを交換するほどの大クラッシュに見舞われており、厳しい戦いが予想されたが、波乱のレースを生き残り表彰台を獲得。メカニックの懸命な修復作業に報いる結果を手にした。


一方、後続の争いを尻目に1号車のポルシェは2連勝を達成。前戦に続き、レースペースの速さを見せつける結果となった。最後のスティントを担当したベルンハルトは「複雑なコンディションでとても難しいレースだったけど、優勝できて本当に嬉しいよ」と喜びを語った。
なお、負傷したアンソニー・デビッドソンを欠き、セバスチャン・ブエミと中嶋一貴の2人でレースに挑んだトヨタ5号車はレース序盤、パワートレーンのトラブルによるリタイアに終わった。
LMP2クラスはメキシコ人のリカルド・ゴンザレス擁する43号車RGRスポーツ・バイ・モランドがポール・トゥ・ウィンを達成。LM-GTEプロクラスは97号車アストンマーチン・レーシング、アマクラスは88号車のアブダビ-プロトン・レーシングがそれぞれ勝利した。


