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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2019.06.24 12:17
更新日: 2019.06.24 17:05

ニュル24時間:トヨタ、GRスープラとLCがダブル完走。豊田代表「すべての悔しさが、ずっと私のブレない軸。今日も悔し涙を流した」

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ル・マン/WEC | ニュル24時間:トヨタ、GRスープラとLCがダブル完走。豊田代表「すべての悔しさが、ずっと私のブレない軸。今日も悔し涙を流した」

 また、90号車GRスープラのドライバーとして今戦に挑んだ“モリゾウ”こと豊田章男社長も、元トヨタ・マスタードライバーで9年前にニュルブルクリンク近郊で急逝した成瀬弘氏を想いながら感謝の言葉を述べている。

 豊田章男TOYOTA GAZOO Racingチーム総代表のコメント全文は以下のとおりだ。

* * * * * * *

まず最初に皆さん、ありがとうございました。今日は、成瀬さんの命日でありました。

私が午前中、10時から乗るということを聞きまして、実は予定では9時でした。それが10時になったという意味を自分なりに考えますと、ちょうど6月23日の現地時間10時にくらいに事故が起きて、亡くなった時間だったんですね。

それで私が成瀬さんの事故の時間にハンドルを握ることになるんだということで、非常に緊張をいたしました。このスープラのカムバック、そして、ニュル13年目の挑戦。いろんな思いが、その3回目のスティントで頭に入って、正直運転どころではなかったというのが正直な感想でありました。

ただ、今日、皆さんが話してくれたことを成瀬さんは聞いてます。成瀬さんが亡くなった時、葬儀に行きました。そこでやりたいと思うやつだけでいい、ついてきてくれということで続いてきたGR活動です。

これが多くの方に応援され、もっといいクルマづくり、クルマづくりの人材育成のど真ん中に、この活動が入ってきたというふうに思います。

本当にここまで支えてくれた皆さんに感謝申し上げるとともに、私は、この話になると涙ぐむんですね。なぜかとクルマの中で考えてみました。多分、悔しさです。

13年前、トヨタも名乗れず、このニュルで、成瀬さんとほぼ2人でプライベーターよりもプライベーターらしい、本当に手づくりのチームでここに来ました。その時の誰からも応援されない悔しさ、何をやってもまともに見てくれない悔しさ、何をやっても、ハスに構えて見られてしまう悔しさ。

そして生産中止になったスープラで練習をしてる悔しさ。すべての悔しさが、私自身その成瀬さんが亡くなった6月23日に社長に就任した時からの、ずっと私のブレない軸でもあります。

ですから、私がもっといいクルマをつくろうよということだけしか、社長になって言わないのはすべてその悔しさであります。そして今日も、悔し涙を流した。その悔しさは絶対に自分を強くするし、この活動の目的である「良い仲間」をつくるし、そしてもっといいクルマをつくると思います。そんな思いを持って、冒頭「ありがとうございました」と皆さんに申し上げました。

本来はこのレース、(ずっとスープラの開発を担当してきた)矢吹が出るレースだったと思います。それをスタート、フィニッシュ含めた4スティントを担当させていただきましたが、こういう日でなければ、「矢吹お前乗れよ」と言ってたと思います。私自身も、この日、スープラ、ニュルというもので成瀬さんから、いやいやお前乗れ、俺と一緒に乗ろう」と言ってくれたんだと思います。

今日の話は間違いなく、成瀬さんは聞いてくれているし、この天気も、成瀬さんだったんだと思います。ドライバーとしては足を引っ張りましたが、他のプロたちがカバーしてくれました。ありがとうございました。

GRスープラは総合首位を走るマシンと接触しながら無事に完走を果たした
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TOYOTA GAZOO Racingの90号車GRスープラ
TOYOTA GAZOO Racingの90号車GRスープラ
56号車レクサスLC
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スタートから24時間後のチェッカーを受けるGRスープラとレクサスLC
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