また、可夢偉も自身初めての経験だっというオーバルコースの特徴として、身体に独特なGがかかることを説明。
「実際に立ってみると壁みたいに感じるあのバンクを大体300km/h近い速度で行くと、Gの影響で首が勝手に下を向くんですよ。だから見る目線がいつものレースと全然違うんです」
「しかし、そういう新しい経験もしながら『どうしたら抵抗なくバンクに行けるかな』などをドライバー同士で共有していたので、僕も(対応に)時間をかけずに走れました」
イベントの会場には2019年のデイトナを制した4人の名が記された10号車キャデラックDPi-V.Rが展示された。
可夢偉によれば、このマシンは展示用のモックアップではなく実際のレースを戦ったマシンであるといい、WTRは今回、2019年シーズンで使用しているレース用シャシーを日本に空輸。2週間後に行われるシリーズ第9戦ロード・アメリカでは、もうひとつのシャシーでレース車両を組み立てるという。
「来年もこのシャシーでレースをするかもしれません。結構レアなものが来ているのでぜひ、みなさんとそれを共有できればと思います」と可夢偉。
その来年についての重大発表はWTRのボスで、アメリカレース界のレジェンドでもあるテイラー氏から発せられた。
「2019年最初に行われたレースで優勝を飾ったことを大変光栄に思っている」と語ったテイラーは、「その優勝はここにいる可夢偉がいたからこそ成し遂げることができたんだ」と続けた。
かつてはドライバーとして活躍し、チーム代表として長年に渡ってレースを戦ったきたテイラーだが、コニカミノルタのサポートを受けてきたなかでも、日本人ドライバーと一緒に仕事をしたのは今回が初めてだったという。
テイラーは自らラブコールを送った可夢偉について、「本当に彼は世界で一番速いドライバーだと感じ、それだけでなく性格も素晴らしくい。一緒に仕事ができたことを光栄に感じているよ。この場を借りて感謝したいと思う」
その後、可夢偉とともに展示車両のアンベイルを行ったテイラーは、満を持して可夢偉とふたたびデイトナ24時間に挑むと発表。
「この場で、世界で初めての発表となる。2020年も可夢偉に我々のチームから参戦してもらう」と宣言したテイラーは、これとあわせて引き続きコニカミノルタがのサポートを受けることを明かしている。
2年連続でデイトナ24時間に参戦することになった可夢偉は、改めてその心境を問われると「デイトナ24時間に初めて出て勝てたからといって、また来年チャレンジしてもそう簡単には勝てないと思いません」とコメント。
「ですから、そのための準備をしっかりして、まずは気を引き締めて勝つためにはどうしたらいいかを考え、2年連続でデイトナで勝てるように臨みたいと思います」と意気込みを語った。