前戦バーレーンまでサクセス・ハンディキャップは選手権最下位のマシンを基準車としていた。しかし、今戦では上位3台がチャンピオンシップリーダーから40ポイント後方に置かれた“バーチャルカー”を基準にしたハンディが課せられている。
このバーチャルカールールは選手権リーダーとランキング最下位のマシン、現時点では6号車ジネッタとの点差が40ポイントを超えた場合に適用されるもの。
COTAラウンドの場合、まずは現在首位に立つ7号車トヨタが保有する96ポイントから40点を引いたバーチャルカーが設定された。次にポイント差でレベリオンとトヨタ各車のハンディキャップ量が計られる。
そこからそれぞれのハンディキャップを設定するため、ポイント差にCOTAのコース全長(km)とWECの係数0.01255が掛けられている。
ハンディキャップを実現するための方法は従来と変わらず。車両重量や燃料流量、ラップあたりのエネルギー使用量、給油リグリストリクターなどの数値を組み合わせることで望ましいハンディキャップが達成された。
TOYOTA GAZOO Racingのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、このバーチャルカールールがLMP1クラスにおいて適切なハンディキャップを確保するために不可欠であることを説明した。
「チャンピオンシップで最下位にいるクルマを基準車として計算を行うと、上位の2~3台はすぐに固まり同じようなハンディキャップのままで居続けることになる」とバセロン。
「最高峰のチャンピオンシップでこのような状況を続けたくはない。なぜなら(私たちにとって)彼らがともに戦い続けたい相手だからだ」
「これがトップランカーから40ポイントを引いたバーチャルカーを維持する理由だ。少し複雑なシステムだが、我々が達成したいことを実現するためには必要なものなんだ」
■2019/20年WEC第5戦ローン・スター・ル・マン サクセス・ハンディキャップ早見表
| No. | Team | Point | SH | Comparison |
|---|---|---|---|---|
| 1 | レベリオン・レーシング | 64.0 | 0.55 | -0.81 |
| 3 | レベリオン・レーシング | – | 0.55 | -0.81 |
| 5 | チームLNT | 24.5 | 0.00 | -0.24 |
| 6 | チームLNT | 12.5 | 0.00 | 0.00 |
| 7 | トヨタ・ガズー・レーシング | 96.0 | 2.77 | +0.26 |
| 8 | トヨタ・ガズー・レーシング | 88.0 | 2.21 | -0.51 |
SH:サクセス・ハンディキャップ(秒/1ラップ)
Comparison:第4戦バーレーンとの比較(秒/1ラップ)
