しかし、可夢偉のタイヤは2スティント目。追いかける8号車アウディはフレッシュなタイヤでペースも速く、レース残り10分を切る頃には4秒差まで迫ると、ファイナルラップでは1.489秒後方まで追い上げてきた。

WEC第7戦富士 一発速さでは勝るアウディだったが、一歩及ばず2位
WEC第7戦富士 一発速さでは勝るアウディだったが、一歩及ばず2位

 可夢偉は、最終スティントの状況を「ロイックのペースは、僕たちよりも断然速かった」と振り返る。

「(2スティント目の)タイヤを壊さないために、ブレーキングで無理ができませんでした。その結果、バックマーカーの処理に苦労する場面もありましたね」

「一発の速さで勝負するには限界があります。いかに少ないロスでトラフィックを捌くかに集中していましたよ」

 可夢偉にとってはシリーズ初、そして2009年のGP2アジアシリーズ以来となる表彰台の頂点。「ホームレースで“仕事”ができて良かった」と、その喜びを表現する。

WEC第7戦富士 終盤、タイヤ無交換作戦を刊行した小林可夢偉
WEC第7戦富士 終盤、タイヤ無交換作戦を刊行した小林可夢偉

「最後に、こうやって(中古タイヤでの連続スティントを)任されたのは、期待されている証。その仕事をしっかりとこなすことができて良かったかな」

「ただ、本当の勝負は来年だと思っています。そこに向けて、いい形で望めるようになりました」

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