8台の争いとなったLMGTEプロクラスでは、セッション序盤から2台のアストンマーティン・バンテージAMRがトップ2を独占。
その背後には2台のポルシェ911 RSRがつけていたが、セッション中盤にAFコルセ71号車のフェラーリ488 GTE Evoが3番手につけ、さらに僚友の51号車フェラーリが終盤にこれを上回ったことで、アストンマーティン2台、フェラーリ2台、ポルシェ2台と続くトップ6となった。
LMGTEアマクラスでもアストンマーティンが速さを見せ、アストンマーティン・レーシング98号車、TFスポーツ90号車の順にトップ2を独占。3番手にはガルフ・レーシングの86号車ポルシェが入り、ハイパーポール進出の6台はアストン2台、ポルシェ3台、フェラーリ1台となっている。
見応えのある激しいハイパーポール進出争いが繰り広げられたのは、24台がエントリーするLMP2クラスだ。
直前に行なわれたFP2終盤、山下のチームメイトであるマーク・パターソンがトラブルかコース脇にマシンを停め、FCYの原因を作っていた。マシンがピットに戻ったのは、セッション終了直前。FP2後のインターバルが15分しかない予選への出走が危ぶまれたが、チェッカーまでのわずかな時間で山下がコースインして問題なくタイムが出せることを確認し、予選へとつなげた。
予選開始からステアリングを握った山下は、最初のアタックで3分27秒611をマーク。各車の1回目のアタックがほぼ終わった時点でもクラス4番手に留まっており、上々の滑り出しだ。山下はピットに戻り、アンデルス・フィヨルドバッハに交代する。
この時点でLMP2のトップはジャッキー・チェンDCレーシング37号車オレカ07、ユナイテッド・オートスポーツ22号車オレカ07、Gドライブ・レーシング26号車アウルス01、そしてハイクラス・レーシングと続いていた。
レーシングチーム・ネーデルランド29号車オレカ07のニック・デ・フリースが3番手に飛び込み、これで山下の33号車は5番手に後退。その後デ・フリースはさらにタイムを縮め、クラストップに立つ。
セッション残り13分、ハイクラス・レーシングはハイパーポール進出を確実なものとするためか、再び山下がマシンに乗り込んだ。その直後、Gドライブ・レーシングbyアルガルベ16号車アウルス01のニック・タンディが山下の背後、6番手に浮上してくる。
山下の再度のアタックは3分32秒台とふるわない。次の周には山下はピットへと戻り、これで33号車はセッションを終えた。JOTAの38号車オレカ07・ギブソンをドライブするアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが6番手へと上がる。
チェッカーが振られるなか、最後のアタックを敢行していたユナイテッド・オートスポーツ32号車オレカ07のアレックス・ブランドルが山下のタイムをわずかに上回り、山下はハイパーポール進出ギリギリ圏内となる6番手へと後退する。
さらにタイムを上回るマシンがいるのか、いないのか。緊張感がにわかに高まったが、結局このあとタイム更新はなく、33号車はこの日初めてサルト・サーキットをドライブした山下の力走により、クラス6番手で金曜日のハイパーポール進出を決めた。
木曜日のセッションはまだ終わらない。現地時間20時(日本時間18日金曜午前3時)からは、4時間にわたるナイトセッションとなるFP3が行なわれる。
明けた金曜日は現地時間午前10時から1時間のFP4、そして11時30分からハイパーポールが行なわれ、決勝のスターティンググリッドが決する。