一貴も「リヤにモーターがないことでドライビングが大きく変わることはないと思います」と、それほど気にしていないようだ。
「ドライバーとしては、GTやフォーミュラみたいに普通にストレートエンドでブレーキをしてという作業になるので、そんなに大きな問題はないかなと。唯一あるとすれば、リヤのモーターがなくなり(油圧)ブレーキだけ(の減速)になるので、その辺の温度管理とかはこれからいろいろ勉強していかなきゃいけないかなと思います」
「おそらくですけど、重くなっているのが一番違和感があるんじゃないかという気がします。レーシングカーでウエイトって一番でかいじゃないですか。どちらかといったらこれまではフォーミュラ寄りのスポーツカー(プロトタイプ)だったのが、GT寄りのスポーツカーになったイメージかな」と可夢偉は言う。
重量増は、ハンドリングだけでなく、もちろんブレーキングにも大きな影響を与える。
「新しいクルマは重くてダウンフォースも少ないから、LMP2よりもブレーキングを遅らせられるとは思えない。そのリスクをどう管理するかという点では、まだ学ぶべきことが多い。ただし(リフト&コーストなどで)燃料をセーブする必要がなく、最高速からブレーキングできるのはいいし、F1に近いドライビングスタイルになるだろう」とハートレー。
マイク・コンウェイは「フィーリングに関しては以前と非常に似ているし、ペダルフィールもあまり変わらない。確かにクルマは重くなりはしたが、それでもフューエルカットが入らず、自分が望む場所でブレーキングできるのはいいし、挙動を予想しやすい。よりトラディショナルな運転をできるようになった」と、みな概ね好意的だ。
ただし、重量増によってタイヤにかかる負担は以前よりも大きくなる。
ブエミは「まだ最終的なタイヤのスペックは決まっていないが、重くなっているのは事実なので、間違いなくタイヤには厳しいだろう。耐久性とパフォーマンスのいい妥協ポイントを見つけなければならない。また(中低速)コーナーの立上がりでは4WDにならないから、その点でもタイヤをケアする必要がある」と、タイヤマネージメントが以前よりも難しくなるだろうと予想する。
