LMP2クラスはオープニングラップのターン3でクラスPPのJOTA28号車オレカ07・ギブソンのトム・ブロンクビストが、僚友38号車オレカのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタと接触し、順位を下げる展開に。
その後、序盤はギド・バン・デル・ガルデが駆るLMP2プロ/アマカテゴリーのレーシングチーム・ネーデルランド29号車オレカがレースの主導権を握った。
1時間半を経過し2度目のピットが終わると、フェルディナンド・ハプスブルクに代わったチームWRTの31号車オレカがトップに立ち、これにユナイテッド・オートスポーツ22号車オレカのウェイン・ボイドが続く展開に。
しかしこのあと、チームWRTはピットレーンスピード違反、および青旗無視によって2度にわたるペナルティを受け、後退してしまう。
中盤にはユナイテッド22号車がリードする局面もあったが、セーフティカー後にはストフェル・バンドーンがドライブするJOTA28号車が首位へと浮上。これに続いたのは後半になってアンソニー・デビッドソンが順位を上げたJOTA38号車で、それぞれスターティングドライバーだったブロンクビストとダ・コスタに代わった最終スティントには、両車の差は1秒以内に。
最後は残り6分を切り、GTマシンが絡んだタイミングで38号車ダ・コスタが見事にオーバーテイクを決め、母国レースでクラストップチェッカーを受けた。
ポルシェ2台、フェラーリ2台の争いとなったLMGTEプロクラスでは、開始1時間23分というところでAFコルセ51号車フェラーリ488 GTE Evo(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド)のカラドが、ポルシェGTチーム92号車ポルシェ911 RSR-19のニール・ジャニをパスしてトップへと浮上。
その後、5時間目に入って僚友のAFコルセ52号車フェラーリも2番手に浮上し、ワン・ツー体勢に持ち込むと、そのままの順位でフィニッシュを迎えた。
■木村武史が好走を見せクラス5位
LMGTEアマクラスでは、Dステーション777号車アストンマーティンのスタートドライバーを務めた藤井誠暢が序盤に躍動。クラス9番手スタートから数周のうちに次々前方のマシンをパスすると、クラストップに立つ。
しかしブレーキングでタイヤから白煙をあげるシーンが見られ、藤井は早めのピットへ。さらに星野へと交代したあと、前述のアクシデントに見舞われる。一度はマシンを修復しコースに送り出したが、エンジンのオーバーヒート症状が出たことにより、2時間半を前にコース脇にマシンを止め、リタイアとなっている。
レース中盤、AFコルセ54号車フェラーリのジャンカルロ・フィジケラがチェティラー・レーシングの47号車フェラーリをパスしトップへ浮上したり、アストンマーティン・レーシング98号車アストンマーティン陣営に加わっているアウグスト・ファーフスがポジションを上げてトップに立つなど、順位は激しく変動する。
6時間目に入ってセーフティカーが導入された時点でのトップは、チェティラーの47号車。これにチーム・プロジェクト1の56号車、アストンの98号車と続いていた。
チェティラー47号車とチーム・プロジェクト1の56号車は終盤に入っても激しいトップ争いを繰り広げ、一時は56号車がトップに立ったが、残り1時間を切ったところでLMP2車両との接触により56号車にはペナルティの裁定が下った。
優勝はチェティラーの47号車フェラーリ(ロベルト・ラコルテ/ジョルジョ・セルナジョット/アントニオ・フォコ)。2位に56号車ポルシェ、3位にAFコルセの54号車という順位になった。
木村武史がスタートドライバーを務め、好走を見せたケッセル・レーシング57号車フェラーリ488 GTE Evoはクラス5位でフィニッシュしている。
WECの次戦は7月16〜18日、こちらも初開催となるイタリア・ミラノ近郊のモンツァで第3戦となる6時間レースが行なわれる予定だ。
