しかしクラトルは、「3台のペースは心強いものであり、問題がなければキャデラック・レーシングのキャデラックVシリーズ.Rとの3位争いには勝機があったと信じている」と述べた。
「我々は間違いなくキャデラックにとって強力な競争相手であり、おそらくキャデラックよりも上か同等だっただろう」
「レース序盤にハイパーカーがパックになっているのを見るのは嬉しいことであったし、最後には他のマシンたちが戦っているのを見たが、彼らのラップタイムは我々とほとんど同等だった」
「我々のペースは良かった。それだけにトラブルが痛かった。本当に競争力があっただろうと予想していたのでね」
「我々はかなり早い段階でトップ争いからは脱落していため、フェラーリやトヨタと戦えたかどうかは決して分からない。だが今回は我々のレースではなかった、間違いなくそうではなかった。しかし、来年はもっと強くなって戻ってくる」
ポルシェ963が実戦デビューを飾った今年1月のIMSA開幕戦デイトナ24時間と比較して、ル・マンのレースがどうだったか尋ねると、クラトルは後者が結果的にさらに厳しいレースであったと認めた。
「基本的に私たちは今回のル・マン24時間であらゆることを学んだ。技術的なこと、操作的なこと、それらを我々はデイトナよりも多く学んだのだ。ル・マンではデイトナよりも単純に起きた問題の数が多かったのだから」
「そういった意味では、デイトナでのレースはル・マンよりも簡単だった。しかしル・マンには3台のマシンでエントリーし、すべてに問題が起きたため、チームに持ち帰って多くを学ぶ必要がある」
「IMSAのワトキンス・グレンで行われる次のレースまでには少し時間があるが、だからといってそこで言い訳はできない。私たちはそれを詳細に分析する必要があり、それを最大限(改善のため)に活用するつもりだ」
■「残念。もっと期待していた」とポルシェ・モータースポーツ代表
また、ポルシェ・モータースポーツの代表であるトーマス・ローデンバッハは、ドイツのメーカーにとって残念な結果だったと認めたが、我々はまた立ち直ると誓った。
「今年のル・マンは残念だった。私たちはもっとできると期待していたからだ」とローデンバッハは振り返る。
「このプロジェクトには膨大な量の作業が行われている。今回は満足のいく結果ではなかったが、ヴァイザッハ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ、そしてチームパートナーなどすべての人々に感謝したいと思う」
「今回私たちは成功を収めることができなかったが、それにはさまざまは理由があるはずだ。私たちはこれらの問題をよく検討し、さらなる改善を行っていく。我々はすでに、将来に対して前向きな気持ちになっているよ」

