第6戦 富士スピードウェイ

2025年7月19日(土)
予選・決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 阪口晴南
予選 7番手 決勝:7位
#39 大湯都史樹
予選 4番手 決勝:8位

 2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、5月に開催された第5戦から2カ月のインターバルを経て、第6戦・第7戦を迎えた。舞台は静岡県の富士スピードウェイだ。7月18日(金)に行われたフリー走行では、SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの阪口晴南、大湯都史樹のふたりは1回目で阪口がトップタイムを記録。2回目では大湯が5番手につけるなど、それぞれ上位にはつけていたものの、一方でさまざまな課題も見つかっていた。チームは7月19日(土)の第6戦の予選・決勝に向け、セットアップの改善、状況の把握を進めていった。

QUALIFY 公式予選

7月19日(土) 9:10~10:02 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1’22.929/#39 大湯都史樹 1’22.784

 フリー走行では2回とも阪口、大湯がトップ10圏内につけていたSANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGだが、阪口は「1回目のタイムは上位でしたが、セットアップの感度が大きくて、少しでも踏み外すとまともに走れないような綱渡りの部分があります」と振り返った。また大湯も「フリー走行1回目からニュータイヤでのグリップ不足に悩まされています。最後に調整して良くなったものの、なぜ良くなっているのかピンときていない状況です」とやや難しいレースウイークであることを感じさせた。

 ただエンジニアたちの原因究明もあり、7月19日(土)の午前9時10分からの公式予選Q1では、A組に出走した阪口がまずは1分22秒738を記録し、3番手でQ2へ進出する。B組では、開始時に信号機のトラブルで仕切り直しになる珍しいシーンもあったが、大湯が1分23秒064を記録。こちらも3番手でQ1突破を果たした。

 続くQ2では、トップ2台が頭ひとつ抜けたタイムを記録するなか、大湯が4周目に1分22秒784を記録。4番手グリッドを獲得する。また阪口も1分22秒929と、僅差で7番手に。ふたりがそれぞれ2列目、4列目という好グリッドを獲得した。

「Q2では、コンディションの変化を読んで攻めた方向に変更していったのですが、コンディションはあまり上がりませんでしたね」と阪口。一方、大湯は、前日悩んでいた問題点は明確ではないというものの、「パフォーマンスが大きく不足しているわけではないですし、ある程度のパフォーマンスがあるからこその順位だと思っています」と自信もみせた。

 2台がそろって上位からスタートできることになったSANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、決勝でのさらなる順位向上へ準備を進めた。

大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士

RACE 決勝レース

7月19日(土) 15:15~16:11 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1’24.644(13L)/#39 大湯都史樹 1’25.002(25L)

 公式予選終了から5時間ほどのインターバルで迎えた第6戦の決勝レース。気温33度/路面温度49度という厳しい暑さのなか、午後3時15分にフォーメーションラップがスタートした。

 午前の予選の結果で大湯は4番手、阪口は7番手からスタートを切ったが、激しい攻防のなか大湯は5番手、また「位置取りが悪かった」という阪口は8番手と、ひとつずつポジションを落としてレースを進めていくことになった。2周目、阪口はひとつポジションを落とすも、4周目には#7 小林可夢偉をかわし8番手に復帰するなど、オーバーテイクが比較的容易な富士スピードウェイで激しいバトルを展開していった。また大湯も4番手を走る#15 岩佐歩夢のとのギャップを縮めるなど、序盤こそ大湯、そして阪口とも感触は悪いものではなく、好ペースで走ることができていた。

 4周を過ぎると少しずつ上位陣の争いは膠着しはじめ、10周を過ぎるとピットウインドウがオープン。上位陣でも続々とピットに向かう車両が現れた。SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの2台は、まずは8番手にいた阪口がピットイン。同時にピットに入った#5 牧野任祐の後でコースに戻ったものの、ややその差は広がっていた。わずかにピットでロスタイムがあったためだ。

 一方の大湯は、他車のピットインにより3番手にポジションを上げた後、21周を終えピットへ向かった。ただ、このピット作業でもロスタイムが大きく、コースに復帰した後は#14 大嶋和也の後方となる8番手にドロップしてしまうことになった。

 各車がピット作業を終えると、阪口の順位は6番手、大湯は8番手となった。しかし、SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの2台はレース後半、苦しいレースを強いられてしまうことになった。

 10周を終えてピットインしており、レース後半は長いスティントを走っていた阪口が、11周にピットインしていた#14 大嶋に追われる展開となった。

 阪口はなんとかポジションを守っていたものの、27周目のTGRコーナーでオーバーテイクを許してしまい、これで7番手にドロップ。その後は阪口、そして8番手を走っていた大湯ともにレースペースが非常に厳しく、そのまま阪口が7位、大湯が8位でレースを終えた。

 予選の位置を考えれば、本来順位を上げたいところではあったが、大湯については大きくポジションを下げることになってしまった。2台が揃ってピットでロスタイムを喫したほか、レースペースについても改善の必要性を感じさせた。

 2台ともにポイントを獲得できたことはポジティブなものではあるが、目指すところはもっと上。7月20日(日)の第7戦に向け、チームはさらなる改善を目指す。

阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士

COMMENTS ドライバー/監督コメント

38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI

「レース序盤、タイヤが元気なうちはペースがありそうな印象がありました。序盤は前に仕掛けられそうな雰囲気もあるくらいだったのですが、ピットインを行った後、タイヤを換えた直後は良かったものの、その後のペースが上がらず、ジリジリと苦しくなり、同じ戦略を採っていた大嶋和也選手にかわされてしまうレースとなってしまいました。レース序盤を犠牲にせず、スティント後半も伸ばせるような方向性を考えなければなりません。明日の第7戦の方がスティントの距離は長くなりますからね。レース後半も速く走れるようにしなければと思います。もちろん予選もあるので、今日良かった要素を採り入れ、前のグリッドからスタートできるようにしたいです」

阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士

39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU

「決勝はペースが足りていなかったことが大きかったです。現状、トップ争いをしているメンバーのペースにはほど遠いですし、今回僕のクルマはバランスで苦労していて、集団の中に入ってしまうと、とてもオーバーテイクができる印象がないものでした。レースを戦う上では苦しかったですね。またピットストップでも時間がかかってしまい、それで遅れることになってしまいました。ペースについてはいろいろな問題がありそうなのですぐに解決しそうにはありませんが、明日の予選、決勝に向けたヒントはあったと思いますので、今回の第6戦で得られたことを糧にして、明日の第7戦も頑張っていきたいと思います」

大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士

立川祐路 監督 YUJI TACHIKAWA

「決勝レースについては、ロングランのペースが2台とも足りていませんでしたね。公式予選では阪口選手、大湯選手とも結果は良かったものの、決勝についてはペースのなさが大きく響いてしまいました。またピット作業も2台ともタイムロスがあったので、そのふたつが大きかったと思います。これがチームの現状の実力だと思っているので、今後底上げを図っていかなければなりません。ただ、明日はもう第7戦がやってきます。今できることを少しでもやっていかなければいけないと思いますし、今後さらにチーム力を高めて優勝争いに加われるチームにしなければいけないと思っています。たくさんの応援ありがとうございました」

立川祐路監督(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
立川祐路監督(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士

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