ーJuju、抜群の蹴りだしをみせながら悔し涙をのむー
SUPER FORMULA 第7戦 富士大会
2025年7月20日(日)、富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦が行われ、HAZAMA ANDO Triple Tree RacingのJujuは17番手からスタート。オープニングラップでの接触によりマシン修復を余儀なくされ、31周を走行し20位でチェッカーを受けましたが、完走扱いには5周とどきませんでした。
土曜日の第6戦でQ2進出に向けて大きな手ごたえを得たことから、第7戦ではより大胆にセットアップに変更を施し、ダブルヘッダーの富士大会2日目、第7戦はB組でQ1に挑んだJuju。昨日より気温・路温も高いコンディションの中1分24秒306刻みましたがQ2進出は果たせませんでしたが、決勝17番グリッドを獲得し、決勝に向けてモチベーションが上がる予選となりました。
45分遅れの進行となった決勝スタート時の天候は曇り、気温30℃、路温50℃。Jujuは昨日以上の好ダッシュをきめて1コーナーに入る前にポジションアップ。その後バトルを繰り広げながらライバル達とダンロップシケインに入ったところ、押し出されるようなかたちで高さの縁石を乗り越えて車体が跳ね上がってしまい、その後に他車と接触、そのままマシン修復のために緊急ピットインを余儀なくされました。
無線で損傷の大きさを把握したチームでしたが、監督からは即座に「まだ諦めないよ。完走扱いを目指すから、Jujuはマシンから降りないで」との指示が飛び、チームは”完走扱い”となる周回数を走り切れるタイミングでの復帰を目指して修復作業に入りました。
当初はピット前でノーズとタイヤ交換のみを予定していましたが、フロントを外してみるとトウロッドの破損も確認され、作業のためマシンはピット奥へ。Jujuを乗せたまま迅速に必要な修復作業が行われたのち、ユーズドタイヤでコースに復帰しました。しかし右フロントタイヤは劣化が著しいことがわかり、再度ピットインして交換。
その後は「完走扱い」を目指し、ステアリングやアライメントに不具合を抱えながらも、Jujuは安定した走行を重ね、一時は10番手前後のマシンと同等のラップタイムを記録する走りを披露。レースは全41周のところ、Jujuは31周を走破し20番手でチェッカー。完走扱いには届きませんでしたが、最後まで諦めずに走り切った姿勢が光るレースとなりました。
◆ドライバー Juju のコメント
「これまで自分が走ってきたシリーズは予選時間が30分くらいあったりしましたが、SFは本当に1周しかチャンスがなく、マシンやタイヤの性能を最大限に引き出してその1周をまとめあげるという難しさがあり、予選は自分にとっての課題の1つでした。それが昨日の予選でうまい感じにいって、Q2がみえてきたので、今日はまた少しセッティングをかえて挑みましたが、あまりうまくいきませんでした。それでも、後ろに数台いるところから決勝スタートできるポジションを獲得できたので、確実に前進していると思います」
「決勝は、オープニングラップからバトルをするような状況の中、第3セクターで少し押し出されるような感じで縁石に乗ってしまいました。その直後に他車との接触もあってマシンの修復に時間がかかることはわかっていましたが、絶対にあきらめたくありませんでした。勝負権はなくなっても、完走する、レースを走り切る、ということをやり遂げたい気持ちが強く、それはチーム全員が同じ気持ちだったと思います。メカニックの皆さんが必要な作業をスピーディにこなしてくれて、絶対に完走しよう!という強い気持ちで送り出してくれました」
「結果は完走扱いの36周に5周足りない31周でしたが、私の中では諦めずに走り切った、という気持ちです。車は走行するのに最小限の修理だけで、アラインメントも狂っているような状態の中で、10位前後と同じくらいのラップタイムで周回を重ねられたことは、今後のレースに向けて、自信につながりました。今日はとても悔しいレースになりましたが、その悔しさをモチベーションにかえて、次のレースに向けて準備します」
◆監督 野田英樹 のコメント
「昨日の第6戦予選では、セッティングとJujuのドライビングの両方がいい方向に向かい、Q2進出も見えるような状況になりました。守りに入れば昨日のタイムで良かったかもしれませんが、まだまだ試行錯誤の段階ですし、攻めていきたいと思い、今日は大きくセッティングを変えました。その結果として、良かった点と悪かった点の両方が出て、タイム的には伸びませんでした」
「決勝では、昨日の走行データや予選で試した内容を踏まえ、エンジニアとともに昨日あまり良くなかった部分を改善しようとさらに別のセッティングで臨みました。ところがスタート直後に他車と接触し、レーシングアクシデントと判定されました。レースではこうしたことも起こりますので、不運だったとしか言いようがありません。ダメージが大きく、本来のポテンシャルを発揮することができなかったのは残念です」
「ただ、見方を変えれば、今まではスタートしてもライバルと絡む位置にいなかったとも言えます。今日は『予選はうまくいかなかった』と言いながらも、後ろに数台を従えてのスタートだったわけで、スタート後にポジション争いの中で起きたアクシデントというのは、Jujuがようやくその位置まで来たという証でもあると思います。もちろん接触は歓迎できるものではありませんが、Jujuもメカニックも含めて、チーム全体の成長を実感できるレースでした」
以上

