もちろんUOMO SUNOCO TEAM LEMANSが作戦計画能力を含めたエンジニアリング力を強化しているのも事実だ。昨年から外国人エンジニアを複数名、前面に押し立てるなどして、そこが注目されてもいたが、山田健二さんの急逝という出来事もあった今季、陣営はさらなる補強も続けている。
ここ数戦は、フォーミュラ・ニッポン~スーパーフォーミュラのみならず海外での経験も豊富なベテラン、加藤博エンジニアの姿も陣内に見られる。監督、ドライバーを含めた皆の知恵の出し合いが、大嶋とディルマンの決勝での順位上昇力をサポートしているのも間違いない。
しかしながら、やはり理想は予選で前、である。後ろから追い上げるレースには、どうしても不確実性が伴い、大嶋にもディルマンにも不発に終わるケースが幾度かあるのが実状だ。
ピットロードでのロスタイムが短いこともあってもてぎではうまく機能させられた今回の大嶋車の作戦も決して万能ではないし、表彰台までは見えてこなかったのも現実。「5位で満足していちゃいけませんからね」(片岡監督)「次の岡山は予選から上位に入りたいです」(大嶋)。予選で上位に入ると奇抜な作戦は採りにくくなるかもしれないが、残り2戦、前から出て戦う彼らの姿も見てみたい。

