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投稿日: 2019.12.23 18:00
更新日: 2019.12.23 22:00

サーキット観戦に不可欠のピエール北川さん。アスリート顔負けの体調管理で実況に臨む【サーキットのお仕事紹介】

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スーパーフォーミュラ | サーキット観戦に不可欠のピエール北川さん。アスリート顔負けの体調管理で実況に臨む【サーキットのお仕事紹介】

 ピエールさんがレースやラリーに出場していることをご存知の方も多いだろう。自分で走った経験があれば、もちろんそれが実況に活きてくるはずだ。

 ところがピエールさんの場合は、“実況に活きるから”という理由でレース活動を始めたわけではなかった。

「原点からお話しすると、僕はもともと自分でレースをやりたかった。三重県出身で小さい頃からサーキットもよく知っていたので、レーシングドライバーに憧れていたんです」

「その夢は叶いませんでしたが、大人になって働き始めてからレーシングカートを始めました。5年くらい真剣にやりましたが、オフィシャルをやっている時に派生した仕事がアナウンサーでした。レースを主催していたクラブチームの人から、『君はよく喋るから、ちょっとマイクでアナウンスしてくれ』と言われたのがそもそもの始まりです」

 普段は実況する側の立場にあるピエールさんが実況される側の立場のこともわかっていれば、それだけ解説の幅が広がり、見ているファンの人にとってもよりわかりやすい実況に繋がるということだ。

「どうして僕が最初からうまくアナウンスができたかというと、自分で走っていた経験があるから。それが僕のベースになっているはずなので、忘れたくないんです」

「自分である程度経験していれば、(起きた出来事に対して)選ぶ言葉も変わりますし、かなり正確な実況に活きてくるはずです。何でもかんでも『やってもうた!』じゃないですからね」

サーキット観戦に不可欠のピエール北川さん。アスリート顔負けの体調管理で実況に臨む【サーキットのお仕事紹介】
レースアナウンサーのピエール北川さん

 さて気になるレースアナウンサーのお給料事情はというと、「家族が食べることができて、家を建てることもできて、車にも乗れて、一般のサラリーマンと同じくらいの生活はできているなという感じです」とのこと。ただしリーマンショックの時のようにモータースポーツ界全体が大きな影響を受けると、それに伴ってピエールさんの仕事自体も減ってしまうため、額面の保証はないという。

「ただ、最近はできるだけちゃんとした金額を頂くようにしています。というのも、僕に続いてくれる人がいなくなるからです。僕がそれなりの生活をできて、きちんとした社会的ポジションを得ていないと、レースアナウンサーになりたいと思ってくれる人がいなくなりますからね」

 レースアナウンサーというのは、『この進路に進めばレースアナウンサーになれる』という道筋のない職業だ。ピエールさん自身は、レースをやりたいという想いがあったからこそ選手もオフィシャルも経験している。つまり、このレース業界にいることが大切なのだという。

「その業界に身を置いて、様々な人とネットワークが繋がって、自分のやりたいことが明確になってきたらその方向に進んでいくと、その人のネットワークがさらに奥深くにまで繋がっていきます」

「レースに関わりたいという思いがあれば、レース業界に身を置ける環境を作ることがまずは重要です」

 サーキットでのレース観戦にはもはやお馴染みのピエールさん。『Are you ready?』の掛け声が聞こえないと、どこか物足りなさを感じてしまうファンの方も多いだろう。しかしながら、アスリートさながらの体調管理をして実況に望んでいることや実況前の緊張感、これまでのキャリアを知っている人は、おそらく少なかったのではないだろうか。

 実況する側とされる側、両方の立場を知り尽くしたピエールさんだからこそできる実況を聞きに、2020年シーズンもぜひサーキットへ足を運んでいただきたい。

サーキット観戦に不可欠のピエール北川さん。アスリート顔負けの体調管理で実況に臨む【サーキットのお仕事紹介】
タキシード姿でSUPER GT HEROESの司会を行うピエール北川さん


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