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投稿日: 2020.11.25 10:00
更新日: 2020.11.25 12:13

【第4戦オートポリスレビュー】2020年シーズンの分岐点になるかもしれない一戦。差を縮めた野尻、山本と戦々恐々の平川

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スーパーフォーミュラ | 【第4戦オートポリスレビュー】2020年シーズンの分岐点になるかもしれない一戦。差を縮めた野尻、山本と戦々恐々の平川

 次戦は1大会2レースが行われる鈴鹿戦となり、最大で46ポイントもの大量加点が可能だ。今回、オートポリス戦のハイライトを演じた野尻も山本も得意としているサーキットである。特に野尻に関しては、2019年の最終戦でも勝利を挙げており、チームも鈴鹿とは相性がよく、好結果が期待できる。

「今回勝てたことでチーム全員のモチベーションも上げられたし、いい流れを作れたと思います。一方でまだレースペースを改善しなければいけないことが明白になったレースだったと思うので、優勝はすごくうれしいですが、しっかりと改善すべきところはしていかないといけないですね」

 山本も野尻と同じく「鈴鹿は得意」と公言しているが、こちらはやや不安もあるようだ。

「いつも鈴鹿は最終戦ですけどいつもよりは少しだけ時期が遅い。タイヤのウォームアップも含めてルールも一部改正される方向なので、その辺をいち早くものにしたチームが勝つと思う。その辺は抜かりなくやって行きたいですね」

「ただ、チームとしてはSUGOやオートポリスに比べると鈴鹿はやや苦手な部分もあります。個人的には得意でもそこが2戦あるのは少し悩ましい部分もある。去年よりもクルマをちゃんと煮詰めた状態で持っていかないといけないと思っています」

 残り3戦のタイトル争いを考えれば、ふたりにとって今回のオートポリス戦はとても大きい一戦だったことは間違いない。序盤3戦の戦績と今シーズン採用されている有効ポイント制を考慮すると、鈴鹿の2戦と富士はポイントを積み重ねないと、タイトル争いから脱落してしまう。

 一方、その状況でも数字上、優位に立っているのがランキングトップの平川だ。

 第4戦では予選でクラッシュ、スタートでポジションをあげるも、ピット作業でミスがあり、結果ノーポイントに終わってしまった。序盤3戦でかなりポイントを積み上げていたため、いまだ2位のキャシディまで11ポイントの大きなリードでランキングトップは守っている。しかし、今回はその結果以上に予選での自滅、そして今後を考えると内容的にもかなりの痛手になる。レース前日、平川はまさにその重要さを話した。

「鈴鹿はホンダ勢が強い印象がありますよね。しかも連戦となると、誰かが流れを掴んだら、両方とも勝たれてしまう可能性もある。それはちょっとやばいかなと。怖いですね。だからこそオートポリスはしっかり戦ってとっておかないといけない」

 平川が鈴鹿の2連戦を「怖い」と警戒するのにはもうひとつ理由がある。TEAM IMPULでスーパーフォーミュラに参戦し始めてから、今年で3年目になるが、過去2年の戦績を見てみると、4レース中3レースでリタイア。残る1レースも8位といずれも好成績には恵まれていない。

 もちろん、これまでのレースと次の2レースでは時期も異なるうえに、タイヤに関するレギュレーションも変更になるため状況は異なるが、第4戦で勝利した野尻や、2位の山本に比べると鈴鹿との相性という面で不安も残る。

 そんな鈴鹿が残り3戦中2戦を占めている。有効ポイント制のことを考えると、今回のオートポリス戦は除くとして、少なくとも2レースは好結果を残さないといけない。つまり、最低でも鈴鹿の1レースは落とせないのだ。

 そのため、第4戦が鍵になることを痛いほど理解していた平川。だからこそ、今回の結果は受け入れがたいはずだ。「なんとしても」と意気込んでいいたレースで結果が残せなかったことが後々どれほどの影響を及ぼすのか。また「寒くなるとホンダのエンジンが速い」とも話しており、残り3戦への警戒心が募る。果たして平川は鈴鹿と対ホンダをどのように攻略するのか。そして、野尻、山本らは平川を追い詰めることができるのか。

2020年スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 予選、決勝とも流れを掴みきれなかった平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
2020年スーパーフォーミュラ第4戦オートポリス 予選、決勝とも流れを掴みきれなかった平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)


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