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投稿日: 2022.10.31 16:32
更新日: 2022.10.31 16:41

ホンダ 2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | ホンダ 2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 レースレポート

笹原右京が今季2勝目。野尻智紀は2位フィニッシュでチャンピオンを決める!

 10月29日(土)~30日(日)、鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第7大会(第9戦および第10戦)が行われました。今回は土曜日に第9戦の公式予選および決勝、日曜日に第10戦の公式予選および決勝と、1大会に2レースが開催される形式で、シリーズ最終戦となる第10戦には、伝統ある『JAFグランプリ』のタイトルがかけられます。

 29日は早朝から快晴となりました。午前9時15分から行われた公式予選Q1A組では#5牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がベストタイムを記録、#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、#53 佐藤蓮(TEAM GOH)が続き、#15 笹原右京(TEAM MUGEN)を含む4名がQ2に進出しました。Q1B組では、2年連続シリーズチャンピオンを目指していながら金曜日のフリー走行で16番手のタイムしか出せず、不安の残る中で公式予選を迎えた#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が4番手タイムをマーク。#12 福住仁嶺(ThreeBond DragoCORSE)が5番手、#64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が6番手に食い込んでQ2へ進出しました。

 9時50分から7分間で行われたQ2では、#1 野尻が渾身のタイムアタックを決めて今シーズン5回目のポールポジションを獲得。この時点でポールポジションポイント3点を加えてさらに王座へ近づきました。その後方3番手に#65 大湯、5番手に#15 笹原、6番手に#5 牧野がつけました。

 #1 野尻を32点差で追う#20 平川亮(carenex TEAM IMPUL)は予選11番手、34点差の#4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)は17番手に沈み、王座争いでは#1 野尻が圧倒的有利な状況で午後の第9戦決勝レースを迎えることとなりました。

 最終コーナーから1コーナーへ向けて風が強まるなか、14時30分に決勝レースが始まりました。スタートで好加速を見せたのは、3番手スタートの#65 大湯、5番手スタートの#15 笹原でした。ポールポジションからスタートした#1 野尻は先頭を守り、#65 大湯、#15 笹原を従えてレースを始めました。ペースのいい#15 笹原は4周目に#65 大湯をオーバーテイクして2番手に上がり、TEAM MUGENがワン・ツー体制を築くと、その後、#65 大湯以下を徐々に引き離し始めました。

 2番手の#15 笹原、3番手の#65 大湯は、タイヤ交換義務を消化するための最少周回数である10周を走ってピットイン、タイヤ交換を行ってコースに復帰しました。一方、首位を走る#1 野尻はその次周にピットへ入り#15 笹原の前でコースに復帰したものの、タイヤが温まっている#15 笹原のほうが有利な戦況に。#15 笹原はヘアピンで#1 野尻のインに飛び込み、事実上のトップに立ちました。

 #1 野尻とシリーズチャンピオンを争う#20 平川はタイヤ交換を遅らせてステイする戦略を採り、見かけ上のトップを走り続けましたが27周を終えてピットイン、タイヤ交換を行って順位を大きく落としました。この結果、見かけ上も#15 笹原がトップ、2番手に#1 野尻、3番手に#65 大湯と続いてレース終盤を迎えました。
 
 さらに、9番手スタートからハイペースで走り続けてきた#53 佐藤が4番手までポジションを上げていたことで、Honda勢が1-2-3-4体制を築きました。#53 佐藤はさらにレース終了直前の29周目に#65 大湯をオーバーテイクして3番手に順位を上げました。

 こうして#15 笹原は今季2勝目となるチェッカーフラッグを受けました。#1 野尻は2位でレースをフィニッシュし、2年連続のシリーズチャンピオンを獲得。またTEAM MUGENが1-2フィニッシュを遂げたことで、TEAM MUGENはチーム部門でもシリーズチャンピオンを決定しました。3位にはルーキーである#53 佐藤が入り、初めての表彰台に上がりました。

2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 笹原右京(TEAM MUGEN)

●笹原右京 TEAM MUGEN

「とにかく勝ててうれしいのひと言です。今日は、TEAM MUGENの2台で、チームの底力を見せることができたと思います。チームが用意してくれたクルマがすばらしくて、自分が思うように操れる状態でした」

「スタートが決まって、クルマが完ぺきな状況であることが分かったので、あとはいつピットに入るかという状況でしたが、僕はミニマムで行こうと考えました。タイヤのことも考えてペースをコントロールするという選択肢も考えましたが、とにかく速さを出し切りたかったので、今あるモノを出し切ろうと思いきり走りました。前回の優勝は流れにも助けられた面もありましたが、今回は楽しんで鈴鹿を走れました

●野尻智紀 TEAM MUGEN

「金曜日の練習走行では不調で、夜遅くまでチームとミーティングして対策を考えました。僕がホテルに帰ってからもチームはいろいろやってくれたようです。結局ぶっつけ本番で予選を迎えましたが、自分でも珍しいなと思うほど緊張しました。そうした流れの中でもポールポジションを獲れたのは、エンジニアにも力づけられて、開き直れたおかげです。失いかけた流れをまた引き戻せたような気がしました」

「レースでは、最大の目標をチャンピオン獲得に置いて、タイヤを含めレースをマネージメントした面もあって優勝することはできませんでしたが、狙いどおり2年連続でチャンピオンになれました。チームのおかげであるとともに、応援してくれた皆さんのおかげでもあります。目標を達成したので、最後のレース(第10戦)は勝ちに行きます」

■次のページへ:チャンピオン野尻が独走でポール・トゥ・ウイン。大津が2位表彰台登壇


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