2周の同乗走行は、まさにあっという間に終わってしまった。前後左右のGは強烈だが、ジェントルマンドライバーが操ることも考慮されたGT3の助手席側は、事前予想よりもはるかに快適なもの。シフトアップはシームレスで、縁石でも「いま乗り上げた?」というレベルのショックのみ。

 確かに、これなら自分でも! と勘違いさせる魅力を持ち合わせているし、実際にお金持ちが毎年新車を買い揃えたくなる理由も分かった“気”がした。

右側の新しいブランパンGT仕様との比較では、エアロパーツの変化が分かりやすい

 年度も条件も違いすぎるが、自ら持ち合わせる経験と比較すると、GT3仕様のGT-Rはやはりレーシングカーそのもの。あのビタッと路面をトレースする感覚は、ある一定のレベルを超えたレース車両でなければ得ることはできないだろう。

 レギュレーションを考えた人は、絶妙なところを突いているなと改めて感心してしまった。プロが本気を出すことができ、場合によってはアマチュアでもプロを負かせることができるカテゴリー。GT3車両は年々価格が高騰してきているが、結果としてこのバランスが崩れないことを切に願いたくなる試乗でもあった。

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優羽ゆうは
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