レースは119周、3分の2を経過した時点でカルソニックが首位を快走。それを追う36号車に対し、ミシュランタイヤのグリップに苦しむ様子の見られる3番手MOTUL GT-Rは、KeePerの再三によるアタックを受け、125周目の1コーナーで陥落。そのままピットへと向かうことに。MOTUL GT-Rは36秒7のストップでマシンをトラックへと送り返すものの、これで11番手にまでポジションを落とし、週末完全制覇の夢は事実上潰えることとなった。

 残る最終ルーティンピットは1回、142周終了時点で首位カルソニックがピットへ。35周のスティントを終えたマーデンボローから佐々木にステアリングを託す。それを追う36号車が148周終了でピットへと入ったところで、コース上で事件が起こる。

 セクター3の上り坂を走る首位カルソニックが突如スローダウン。そのまま最終コーナーを立ち上がるとピットレーンには向かわずホームストレートを通過していくものの、そのスピードはGT300クラスにも及ばない。

 そのまま150周目を力なく走りきった12号車はようやくピットへ。そのままレースを終えるかと思われたが、ピットでボンネットを開けてトラブルを修復したはマシンを送り出し12番手で戦列に復帰する。

 これでコース上はau、KeePerのトムスがワン・ツー体制を構築。3番手には予選でエンジンが掛からず14番手スタートから逆襲をみせるKEIHIN NSX-GT、小暮卓史が143周目に1分31秒844の自己ベストタイムを刻みながらの猛追で上がってきた。

 上位勢が軒並み最後のピット作業を終えた150周時点で気温は27度、路面温度は36度まで下がり、154周目には9番手を走る23号車のクインタレッリが1分30秒899のファステストを更新するなどコンディションが変化していく状況下で、レクサスLC500の2台とホンダNSX-GTはマシンへの負担が減り、トラブルなく残り周回を走破。

 序盤はチームとしていくつかのミスを犯したものの、36号車au TOM’S LC500がガス欠で失った前戦の雪辱を晴らす今季初優勝。2位に同じく1号車が入り、これで平川/キャシディ組がシリーズランキング首位浮上を果たし、スーパーGTとしては初となるトムスのワン・ツーフィニッシュで最高の週末となった。

 そして最後の3位表彰台には、最終スティントの塚越広大も自己ベストをさらに1分31秒695にまで詰めた17号車が入り、8号車ARTA、100号車RAYBRIGと、NSX-GT勢が3位、4位、5位と続いている。

 初の試みとなった真夏の富士長距離戦を経て、スーパーGTは同じく真夏の風物詩、魔物の住むSUGOでの第6戦を迎える。今回の富士で圧倒的速さを披露しながらリザルトに繋げられなかったニッサン陣営と、例年強さをみせるホンダ陣営が終盤に向けどう巻き返しを見せるか。例年の7月から9月15〜16日に開催日を移動しての1戦だけに、不確定要素が満載のレースとなりそうだ。

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