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国内レース他 ニュース

投稿日: 2017.09.15 14:40

スーパー耐久:ENDLESS SPORTS ST-X/ST-4クラス 2017第5戦富士 レースレポート

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国内レース他 | スーパー耐久:ENDLESS SPORTS ST-X/ST-4クラス 2017第5戦富士 レースレポート

 もちろん、昨シーズン、FIAに申請した耐久レース用キャリパー[エンデュランスキット]を装着している。このキャリパーは当エンドレスがニスモから発注を受けて開発した専用のキットでもある。
 
 サーキットによって変わってくるが、耐久専用のため10時間以上を無交換で走れることを前提に開発したキットだ。とはいえ、攻め続けるわけにはいかない。ローターやパッド、さらにはタイヤの摩耗状態を見ながらの走りになる。簡単に言えば抑えないといけないシチュエーションも出てくる。

2017スーパー耐久第5戦富士 スタートシーン
2017スーパー耐久第5戦富士 スタートシーン

 
 ちなみに今回の10時間では7回のピットストップ。プラチナドライバーで登録されているBドライバーの山内の走行時間は、4時間(全走行時間の40%)以内。
 
 Aドライバー登録のジェントルマンドライバーは2時間(全走行時間の20%)以上。セーフティカーがコースに入った場合、ピットストップが禁止という特別ルールが採用されている。

 さすがに富士の朝8時は20℃には達しない。夏のつもりでいると寒ささえ感じる。そんななかでのスタートだ。
 
 7時58分過ぎ、SC(セーフティカー)がコースから抜け、10時間先のチェッカーを目指し、スタートが切られる。当チームのGT—Rのステアリングを握っているのはCドライバーの元嶋。まずまずのスタートを切り5番手を守る。
 
 トップのフェラーリから当チームのGT-R、さらには6番手のポルシェが3秒以内でトップ集団を形成。20ラップ過ぎ、フェラーリがやや逃げ出すが、ST−5クラスなどの集団が現れると、すぐに詰まるという展開が続く。
 
 各ドライバーが無理をしていないというのもあるだろうが、付かず離れずの展開で1時間が過ぎる。元嶋は44ラップを走りきったところでピットストップ。タイヤ交換、ガス給油してYUKE TANIGUCHIにスイッチ。5番手のままコースに戻る。
 
 YUKE TANIGUCHIも1分44~45秒台で安定した50ラップ過ぎ、当チームに対し「黄旗無視」によるドライブスルーのペナルティがだされる。これで7番手に後退。すぐにYUKE TANIGUCHIは6番手に上がるが、トップからは大きく引き離される。
 
 当初、YUKE TANIGUCHIが1時間以上走る予定だったが、急遽、72ラップ目、山内に変更して対応する。山内は43秒台でのラップ、ペナルティで遅れた分を取り返しに入る。
 
 スタートから3時間が過ぎた直後の105ラップ過ぎ、コース上にオイルが出て、コースの外に飛び出すマシンが続いたため、107~110ラップ(11:07~11:24)SCがコースに入る。
 
 これでトップからの遅れを1分強、ポジションも5番手にまで戻す。120ラップ過ぎ、ふたたび、元嶋にスイッチ。ここでもタイヤはリヤのみの交換にして、ロスを抑える。
 
 166ラップ過ぎ、4回目のピットストップ。YUKE TANIGUCHIが2回目のステアリングを握る。1回目の走行が50分弱だったため、20%の2時間をクリアするため、ここではフル満タンでコースに戻る。
 
 YUKE TANIGUCHIは遅いマシンがいると47秒台にまで落ちるがクリアな状況では44~45秒と安定した速さでラップを重ねていく。規定時間の2時間も超えた209ラップ目、5回目のピットストップ。
 
 山内にスイッチ。すでにピットストップのタイミングが各チームと変わりだしているため、正確な順位は不明だが3~4番手あたり。山内が3番手を確実にするべく追い上げる。
 
 しかし、山内が走る前に黄旗無視があり、2回目のドライブスルーのペナルティを受けることになり、ポジションは5番手に落とす。これで完全に抑えていられなくなった当チームは、山内にプッシュの指示。
 
 ときには42秒台を叩き出す43秒台での追撃。236ラップ目には4番手との差が6秒台にまで詰まる。ライバルのピットストップもあり、3番手に上がった254ラップ目、6回目のピットストップ。
 
 元嶋が乗り込み、5番手でコースに戻る。元嶋も42~43秒台でのラップで前車との差をつめていく。しかし、263ラップ目にST-3クラスのマシンと接触。フロント右側のタイヤがバーストした状態でピットに戻ってくる。
 
 タイヤ交換+チェックで済めば、まだチャンスはあったが、アップライトまでダメージはいっていた。ガレージ内にマシンを戻し、メカニック全員で修復に入る。約33分後にコースに戻すことはできたが、トップからは21ラップ遅れの8番手、7番手のメルセデスとの差も10ラップ。
 
 結局、8番手でのチェッカーを受けるにとどまった。レース後、3番手でチェッカーを受けたフェラーリがDドライバーの裁定義務周回数の違反で降格。当チームは最終結果では7位に上がったが、チャンピオン争いからは完全に脱落することになってしまった。
 
 富士の10時間は「黄旗無視」という2回のミス。結果的にこれが命取りにもなってしまった。チャンピオン奪還という大きな目標は潰えたが、今シーズン、一度もできていない勝利をつかみ、2018シーズンに繋げる最終戦の岡山になるべく挑みたい。


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