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国内レース他 ニュース

投稿日: 2021.02.06 11:45
更新日: 2021.02.08 20:52

スーパー耐久マシンフォーカス:2年連続チャンピオンの強みとは。メルセデスAMG GT4

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国内レース他 | スーパー耐久マシンフォーカス:2年連続チャンピオンの強みとは。メルセデスAMG GT4

 2020年3月より耐久レースでのパフォーマンス向上に焦点が当てられて開発されたAMG GT4用のEVOキットがリリースされたが、一体どのようなアップデートが施されたのだろうか。

「2018年モデルで一番ネックだったのは走行中、エンジンオイルの温度が高くなることでした。夏場に走っていると油温が限界まで上がるので、ペースを落とさざるを得ないレースもありました。これに関しては、こちらもメルセデスにフィードバックしました」

「それを加味して、2020年モデルでミッション、エンジン、クーラーの位置を変えたり、水温を冷やすためにガーニーフラップを追加しています。また、ブレーキを冷やすためにブレーキダクトが変わったり、ブレーキローターも変わりましたね。ブレーキ系の冷却とエンジンの冷却、水温、油温のパフォーマンス向上が2020年のEVOモデルのアップデート内容となります」

 2019年7月21日に行われた第4戦オートポリスでは油温が限界値まで上昇し、レース中にショートシフトに変えてペースを落としたという。2019年もシーズンを通して好成績を残していたAMG GT4だが、耐久レースを戦う上では、冷却不足が大きなネックとなっていたのだ。

 しかし、2020年モデルはこれまでの弱点を克服しており、大きな不満や弱点と呼べるものは無くなったという。それがAMG GT4による2020年シーズン5戦中4勝という成績を支えた支えた要因となっているのかもしれない。

 そんなAMG GT4の販売価格は2600万円程だ。GT4のなかでは高額な部類に入るが、2020年シーズンのスーパー耐久シリーズには3台がエントリーしている。エントリー台数が多いということはエントラントから支持を受けていることの現れでもあるが、なぜAMG GT4は支持されているのだろうか。

「各チームさまざまな理由はあると思いますが、やはりメルセデスに対する信頼の高さというのはあると思います」と中村エンジニアは話す。

「メルセデスのカスタマーへ向けたサポートは凄いです。さすがメルセデスだなと思うのは、シーズン中、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う渡航制限でドイツからサポートエンジニアが来られませんでした。でも、日本の代理店さんを通じてレースの間、ドイツは夜中なんですが、サポートエンジニアが電話で繋がっているんです。何かがあったらすぐに対応できるような環境を作ってくれているんですよね。かなり助かっています」

 カスタマーレースを戦う上で、車両の開発、販売元であるメーカーのサポートは重要だ。メルセデスの場合、各チームに平等にサポートを実施するという点も支持を受ける理由だ。

 なお、パーツデリバリーの面では、通常発送でもエア便を利用し1週間程度でパーツが日本に届くという。急を要する際には、(高額にはなるが)より短期間で到着するよう柔軟に対応し、手配してくれるという。このようなサービス面の充実もエントラントにとってありがたい存在だ。

■AMG GT4を通じた製品開発も

 自動車のアフターマーケットにおいて国内最大手のブレーキメーカーであるエンドレスが走らせるENDLESS AMG GT4には、エンドレスが自社で開発したブレーキパッドが装着されている。

「本当であればキャリパーもローターもうちの製品を使いたいのですが。パッドだけで合わせこんでいます。ブレーキメーカーなので、データを見ながら細かく合わせられるので、そこはエンドレス製パッドを使用する他のチームにもバックアップできる点だと思います」

 GT4車両はキャリパー、ローターの交換は認められていないが、ブレーキパッドの変更は可能だ。そのため、エンドレスでは毎戦自社で開発したブレーキパッドを装着した参戦している。もちろん、AMG GT4で開発された内容が市販の製品にフィードバックされることもあるという。

「レースで培ったものを市販品にフィードバックする、開発してより良いものを作るというのをレースの場でやっています」と中村エンジニアは語った。

 メルセデスAMG GT4は、2020年シーズンのスーパー耐久シリーズにおいて、第1戦と第2戦でENDLESS AMG GT4が、第3戦岡山では5ZIGEN AMG GT4が、そして最終戦となった第5戦でENDLESS AMG GT4が3勝目を挙げ、5戦中4勝という他を圧倒する成績でシーズンを終えた。

 2021年シーズンのスーパー耐久シリーズではタイヤがピレリからハンコックのワンメイクに変更となるが、ST-Zクラスの勢力図にどのような影響が出るのだろうか。ST-Zクラスにおいて“最強”と言われるメルセデスAMG GT4が、その好調を維持できるのかという点も含めて、楽しみは尽きない。

メルセデスAMG GT4のリヤハッチの内部リヤハッチの内部
メルセデスAMG GT4のリヤハッチの内部
リヤに収められた燃料タンクの最大容量は120リッター。燃料タンクの搭載位置が高く、給油時間は速くはないと中村エンジニア
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GT3同様、ルーフには緊急脱出用の蓋も備えている
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リヤのアッパー、アーム類も純正品、ダンパーはKW製だ。
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エントラントで変更が可能なブレーキパッド。ENDLESS AMG GT4はもちろんエンドレス製だ。
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ENDLESS AMG GT4
ENDLESS AMG GT4


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