巻き返しにきている相手を、ポイントリーダーのロズベルグは強く意識したはずだ。土曜からは“6連勝”中であることを忘れ、自意識をリセットしなおす必要がある。ポイントになるのは、低中速ストップ&ゴーでマシンの回頭性(切れ味)を保ちつつ、長いU字の3コーナーで、どうバランスをとるか。スローVTRに映ったように、3コーナーではマシンが大きく傾いてロール、車体底からスパークが飛び散っていた。リヤタイヤのキャンバー角や車高調整など、研究熱心なロズベルグは金曜夜、担当エンジニアとのミーティングで空力よりもメカニカル・グリップの“完全調和”を探ったことだろう。<コース外で速さを見つける>──それが、ニコの持ち味だ。

挑戦するフェラーリは、いまはトラブルを怖れず、刃向かっていくしかないのだ。ベッテルがフリー走行2回目で2位タイムを出しながら、10周で電気系トラブル。このありさまを見てミハエル・シューマッハー以前の、かつての姿、マクラーレン・ホンダやウイリアムズ・ルノーに立ち向かう80年代〜90年代スクーデリアが、だぶって見えた。攻めるべきスピードと守るべき信頼性、二律背反の狭間から解決策を見出せるかどうか──。勝てそうで勝てない3ゲームが過ぎ、この4戦目が今シーズン最初の大きな“分岐点”となるような気がしてならない。新パワーユニット投入、ここで3トークン使用、残る開発点数は「6」しかないフェラーリだから、そう思う。

2強から視点を変えると、3番手にいるレッドブルに対してウイリアムズが迫ってきた。メルセデス・パワーユニットのアップデートを含め、コース特性に見合う戦力アップが見えている。コーナリング・サーキットではないソチだから、レッドブルに反撃するチャンスあり。ロングランペースは互角、今季ベストまだ5位しかないウイリアムズ陣営が狙っている。4戦目の春に移ったロシアGP、また勢力構図が変わるのか。

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