ロシアン・ルーレットで不運を引いたのはベッテル。他にもニコ・ヒュルケンベルグとリオ・ハリアントが、たった1000メートルで第4戦を終えることに。彼らだけでなくクビアトもダニエル・リカルドもピットインを強いられ、マーカス・エリクソン、セルジオ・ペレス、エステバン・グティエレスもハズレ……。
“ビンゴ”を得たのは、そう、10番グリッドからパワーユニット交換作業の末にスタートしたルイス・ハミルトンだ。さらに14番グリッドからのフェルナンド・アロンソと17番手からのケビン・マグヌッセン。1周目に5位、7位、10位まで上がった3人の危機回避プレーは秀逸。国際共同映像では、はっきりとらえていないが、とっさに1コーナー入口でアウトサイドラインに進路を取って回避している。
この瞬間状況判断力は正しい。とくにハミルトンとアロンソは減速することなく、広いエスケープを使い、加速している。通常であれば「コース外の走行プレー」は審議対象になっても、危機回避するためのアウトサイド走行は、なりにくい。さすがチャンピオンの技だ。これでハミルトンは5台を抜き、アロンソも一気に入賞圏内レースを可能にし、ルノーのマグヌッセンも千載一遇のポイントチャンスを得た。