F1スペインGPレース後の記者会見は、これまでにない温かい雰囲気に包まれていた。あらためて、その様子をお伝えしよう。
たとえば、あと一歩のところで優勝を逃したキミ・ライコネンに司会者が心境を尋ねると、ふだん会見でめったに笑顔を見せないライコネンが微笑みながら、こんな答えをした。
「勝てなかったことには、もちろんがっかりしているけど、予選でのパフォーマンスを考えれば、フェラーリが2台とも表彰台に上がることができて良かったと思っている。負けることは僕たちが望んでいる結果ではないけれど、今日は彼(フェルスタッペン)の初優勝を祝いたい。彼が優秀なドライバーだということは、みんな知っているからね。最年少と最年長とか、関係ないよ。それより僕は、彼のお父さんとレースしたんだってことに、いまは驚いているよ(笑)」
ライコネンでさえ、これだけリラックスした雰囲気だったのだから、ベッテルのノリは、さらに絶好調だった。「マックス、父親とヘルムート・マルコのどちらが、よりあなたの人生において大きな影響を与えましたか」という質問に、フェルスタッペンが「4歳から16歳までは間違いなく父親だけど……」と答えると、隣にいたベッテルが「4歳までは誰だったの? なんか、あったの?」と、すかさず突っ込みを入れていた。