もうひとりは、マネージャーのマーク・ヘインズだ。いまでこそ、ハミルトンのマーケティング関連のマネージメントを行なっているヘインズだが、99年にはジェンソン・バトンらを抑えて、イギリスF3選手権を制したこともある元レーシングドライバー。現役を引退した後は、マルシアでドライバーのコーチ役を務め、昨年からハミルトンのマネージャーとなった。
じつはヘインズは、昨年の12月にトト・ウォルフの自宅で開かれたミーティングに参加していたひとりだった。
このミーティングは「言いたいことをすべて言い合うことができた濃密な2時間半だった」とハミルトンが語るように、ハミルトンとメルセデスにとって重要な会議だった。出席者はハミルトン、ウォルフ、チーフレースストラテジストのジェームス・バレス、そしてヘインズの4人。いかにヘインズがハミルトンとチームから信頼されていたかがわかる。
そのような経緯があったからこそ、ハミルトンにとってもヘインズにとっても、今回のタイトル獲得には特別な思いがあったのだろう。普段、モーターホームやホスピタリティハウスでの撮影は許可しないハミルトンがこの日は珍しくホスピタリティハウス内で撮影に応じた。それはヘインズを讃えようとするハミルトンなりの感謝の印だったのではないだろうか。
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