メルセデスW07

 さらにリヤを注視してみると、モンキーシートが変更されていることに気づく。もはや「モンキーシート」と呼べるような形態ではないが、排気のエネルギーを利用した空力デバイスであることに変わりはない。カナダGPに特化したデザインというより、シーズンを通じたアップデートの一環として投入したのだろう。

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 つづいてフロントセクションを見てみると、その繊細かつ大胆な作りに目を奪われる。第5戦スペインGPでウイングステーのスパンを細くした改良型ノーズを投入したが、狙いは、ノーズとフロントウイングに挟まれた空間を大きくとり、リヤに向けてクリーンかつ大量の空気を流すためである。規定いっぱいまで後退させたスリムなノーズも、リヤに流す空気のためだ。

 ノーズの後退にともなってステーの位置も後退しているが、こうなると厳しいのは、最大で数百キロにも達するフロントウイングの荷重を支える強度を確保することだ。脱落しないようにするのはもちろん、狙いどおりの性能を発揮してもらうためには妙な振幅などしないでもらいたい。外見からは確認できないが、ノーズ/ステー/ウイングにかけては、CFRP材に金属のインサートが配されている。大きな荷重を受けるウイング部も同様だ。

 フロントウイングは、着色された中央寄りのエリアはダウンフォース発生を受け持ち、無着色(カーボン地)の翼端板側はダウンフォースを発生させつつ、フロントタイヤの接地面が起点となって発生する乱流を制御する目的を受け持っている。

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 その様子を横から見ると、まずノーズ下面にあるSダクトの空気取り入れ口が目に付く。流れの速いノーズ上面の空気が下面の空気を引っ張ることで、フロントセクションの空力性能を高めるアイデアだろうか。制動時のスタビリティを高める効果があるとも伝わるが、どうだろう。ノーズ上面にあるSダクトの出口形状も変更を受けているようだ。

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