メルセデスW07

 サイドポンツーン周辺の空力処理も複雑さを増している。定番となって久しいアンダーカット(下部の絞り込み)は、アンダーカットがない形状に比べて、このエリアでのダウンフォース発生量が増すため、欠かせない造形だ。

 フロアの前端外側には折り返しがあり、この折り返し部分にはフラップが付いているのが確認できる。ディフューザーが横を向いて付いているようにも見えるが、機能的にもディフューザーと似たような働きをし、このエリアで少なくないダウンフォースを発生する。

 サイドポンツーンに張りつくように配されたバージボードは短冊状に分割されているが、フロントウイングのフラップに配されたボルテックスジェネレーターと同じで、フロア下やサイドポンツーン側面に向けて、空気の流れを緻密にコントロールするためだろう。

メルセデスW07

 最後にフロントブレーキドラムを見て締めくくりとしよう。ブレーキユニットの冷却とホイールを通じて外側に排出される空気の制御を受け持つダクトが整然と配されており、隙がない。こうした緻密な空力処理は従来レッドブルが得意とするところだったが、お株を奪うような見事な作り込みだ。これだけ手の込んだ、しかも精度の高い作り込みを見せつけられてしまうと、他を圧倒する速さにも納得せざるを得ないというものだ。

 ちなみに、10年前に100個程度だったカーボン製ブレーキディスク(ブレンボ製)のベンチレーションホールが1000個以上になって数年が経過する。放熱面積を増やして冷却効率を高めると同時に、軽量化を実現する技術だ。ホイールナットを固定する、ねじ山は3つしかないが、これは極端に短いピットストップ時間を支える技術のひとつである。

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