フェラーリのチーム代表マウリツィオ・アリバベーネによると、長く続いてきた無冠の年月に終止符を打つべく、チームはすでに2018年のマシンに関する作業まで始めているという。
フェラーリのドライバーとして世界選手権を勝ち取ったのは、2007年のキミ・ライコネンが最後だ。また、その翌年の2008年以来、コンストラクターズ選手権からもしばらく遠ざかっている。
2015年にセバスチャン・ベッテルの手によって3勝をあげたフェラーリは、今年も遜色のないペースを示してはいる。ただ、いまのところ週末のパフォーマンスをうまくまとめ上げて、勝利に結びつけることはできていない。
アリバベーネは「フェラーリは2016年の戦いをあきらめない」と明言してきた。しかし、ここへ来て彼らは、今年のクルマと向こう2年間のための開発にリソースを分割しようとしているようだ。
昨年から今年にかけてのエンジンの進歩は、フェラーリの大きな武器のひとつになっているが、メルセデスに追いつくために改良を重ねた結果、開発トークンはあと3つしか残っていない。だが、来季からはトークンシステムが廃止されて、開発の機会が大きく開かれるため、パワーユニットは徐々に性能が均衡した状態に近づくものと期待されている。
フェラーリはいつから来季のクルマに開発の主力を移すのかという問いに、アリバベーネは次のように答えた。「以前から言っているように、ここで働いているチームは、今年の戦いに専念している。まだライバルとのギャップはかなり大きいからだ。それでも、私たちは戦えると思うし、私には戦えるという確信がある」
「だが、考え方を少し変えた部分もある。今年のクルマの開発に専念するチームとはまた別に、来年のクルマを受け持つ小規模なチームと、エンジンを中心として2018年以降の研究をするチームを設けた」
また、アリバベーネは、2016年のフェラーリは運に見放されているところもあるが、チームは状況を好転させられると信じていると述べた。
「この先、どこかで勝てたときには、うれしくて大騒ぎしたくなるだろう。私は感情豊かで情熱的なイタリア人だからね。ただ、この立場にいる限り、それはあきらめなければならない。しっかりと落ち着いて、シーズン全体と次のレースを考え、チームのモチベーションを維持していく必要がある」
「私は昔から、幸運や不運は信じないと言ってきた。実際、私たちは幸運にではなく、私たち自身に大きな借りを作っている状態だと思う」