さらに別のエンジニアは、そのような状況でフェラーリのベッテルを抑えきった走りに感嘆していた。
「MGU-Kが動かなくなったということは、MGU-Kによる発電が使えなくなっただけでなく、MGU-Hによって作られたエネルギーも、MGU-Kを介して使用することができなくなったことを意味するので、デプロイがまったく効かない状態だったと考えられる。そうなるとドライビングはかなり難しくなるのに、トップを譲らなかったのはすごい」

 実際、トラブルが発生した28周目前後のラップタイムを見ても、トラブルがあったとは思えないほど安定したタイムを刻んでいる。

 別のあるエンジニアは、リカルドが「1速から6速までしか、ギヤを使わなかった」というコメントに注目した。

「もしエンジンを労わるのであれば、6速で引っ張るのではなく、7速に入れたほうが回転数が上がらないので、エンジンには優しくなる。それでも、6速で引っ張ったのは、6速で回転数ほ高い状態でキープしたほうが、モナコではラップタイムを維持できたからではないだろうか」

 いずれにしても、リカルドの優勝は、ホーナーが賞賛したように、91年のブラジルGPのアイルトン・セナ(レース終盤、6速ホールドで優勝)や94年のスペインGPのミハエル・シューマッハー(レース後半、5速ホールドで2位)と並んで、語り継がれる「神ドライブ」となることだろう。

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