そしてレース終盤に入って燃費セーブも最後の帳尻合わせが必要になってくる。ステアリング上に表示される目標燃料使用量と実際の使用量のギャップ表示を見ながら、ストレートエンドでスロットルをオフにするリフト&コーストと呼ばれる技法で燃費を稼いで目標値に合わせ込んでいく。

STR「リフトオフするときはブレーキを完全にオフにしておけ。後ろのGROはリヤタイヤに苦しんでいるよ。ダッシュボード上の(燃費)ターゲットに従って走ってくれ」

 レース最終盤を迎えると、グロージャンはガスリーの1秒以内に迫りDRSも使ってくる。それでもガスリーは燃費セーブをしながらも巧みにグロージャンを抑え込んでいた。チームからもオーバーテイクボタンを使ってパワーユニットの出力を絞り出すことで少しでも優位に立とうと指示が飛ぶ。

STR「ディフェンスするのにオーバーテイクボタンを使っても良いぞ」

STR「ターン10からの立ち上がりでオーバーテイクボタンを使え。次が最終ラップだ」

 69周目、誤ってチェッカードフラッグが振られてしまうがライン通過の5秒前にエンジニアから指示を受けていたガスリーはスロットルを緩めることなく最後までグロージャンを抑え込んだ。

グロージャンを抑え込むガスリー

STR「これがラストラップだ、チェッカーフラッグは無視しろ」

 ルクレール攻略はならず、結果は11位。しかし中団グループの中で最速の部類に入るペースで走り、19番グリッドからここまで挽回できたことにはチーム全体が大きな手応えを掴み取っていた。

STR「P11だ、ピエール。とても良いレースだった。あとちょっとの差でポイントを獲ることができなかったのは残念だった」

GAS「本当に残念だよ。なぜかLECを抜くスピードがなかった。でもみんなのハードワークにはとても感謝している。間違いなくパワーユニットのアップグレードも素晴らしかったし、これから僕らはとても良いレースができるはずだ」

STR「そうだね、ありがとうピエール」

 その手応えは、次のフランスGPで間違いなく結果へと繋げてくれるはずだ。

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